今日の本-20090223


調べものが多い…。気楽な読書がなかなかできない。ま、何を贅沢を言っている、という話ではあるが。

1.経典ガイドブック/宮元 啓一…著者は1948年東京生まれ。東大インド哲学インド文学科卒。インドの原始経典・大乗経典・論、中国・日本の論等の概要紹介。ある程度の知識を持っていれば、「いわゆる仏教とは」という観点からの大づかみができる本。大変参考になった。

2.仏教を楽しむためのお経の学校/瓜生中…著者は1954年東京生まれ。早稲田大学東洋哲学専攻。お経の基礎知識、インド・中国・日本の経・論。これもよいガイドになった。

3.三田誠広の法華経入門/三田誠広…著者は1948年大阪生まれ。早稲田大学文学部卒。法華経の概説。わかりやすい言葉で紹介してくれている。
メモ…原始経典では阿含経、涅槃経、法句経。大乗経典では般若心経、大無量寿経、法華経に注目か?

4.旧約聖書を知っていますか/阿刀田高…著者は1935年東京生まれ。早稲田大学第一文学部フランス文学専修に入学。アブラハム、モーセ、ソロモンなど有名どころの確認のために。面白い物語として聖書って読める。

5.聖書知れば知るほど/守部喜雅…著者は1940年中国上海市生まれ。慶応大卒。旧約・新約の両聖書の概説。これはわかりやすい。

6.図解雑学キリスト教/挽地茂男…著者は1950年生まれ。東大大学院博士課程(宗教学・宗教史専攻)。高校で言葉だけ習うレベルの神学(アタナシウス派など)や近現代の動向(ファンダメンタリズム)も書かれている。これまたわかりやすい。
メモ…アブラハム、モーセは外せない。後は誰を選ぶか?

7.日本の歴史王権の誕生/寺沢薫…著者は1950年東京生まれ。同志社大学文学部卒。これは面白かった。卑弥呼とはどんな存在だったのか、邪馬台国の場所とは、箸墓古墳は誰の墓か、などといったことに興味がある人は必読の書ではないか。考古学というか最新の発掘情報からの著者の結論は小気味よくすらある。

8.日米開戦への道/大杉一雄…著者は1925年北海道生まれ。東大経済学部卒。どうして日米開戦は避けられなかったのかという詳細事情がよくわかる。運命というのか、必然というのか、一人の力ではどうしようもない時の流れというか時代の趨勢というのか。…とはいうものの、少なくとも3人ほど「お前さんが体張ってりゃあの戦いは避けられたじゃないか!」と叱責したくなる人物があぶりだされている。

9.おもしろい歴史物語を読もう/杉原志啓…著者は1951年山形生まれ。学習院大学大学院政治学研究科博士課程終了。「新しい歴史教科書をつくる会」理事の坂本多加雄さんに師事していたとか。内容的には気楽に面白く読めたが、多読でないと書けない本だ。学者さんって感じ。

10.相対主義の極北/入不二基義…著者は1958年生まれ。東大文学部哲学科卒。途中で挫折。ああ、頭がどんどん悪くなっている。ま、しょうがないな。年だ年だ。

今回はやはり「日本の歴史王権の誕生/寺沢薫」「日米開戦への道/大杉一雄」が面白く読めた。

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