20120730小品No.274慚愧
慚愧 だいたい言いたいことは、言い尽くしているので、繰り返しになる。 そんなもんだろうと思う。 感動は、同じことに、そのたびだ。 力なき者が必死で前に進もうとする姿。 ほとんど勝てる見込みなどない。 けれどふらふらになり…
慚愧 だいたい言いたいことは、言い尽くしているので、繰り返しになる。 そんなもんだろうと思う。 感動は、同じことに、そのたびだ。 力なき者が必死で前に進もうとする姿。 ほとんど勝てる見込みなどない。 けれどふらふらになり…
そう、彼がほしかったのは 夏の花 夏の海 夏の空 どこまでも続く太陽の楽園 そう、彼女がくれたのは 消えない言葉 消えない思い出 消えない愛 どこにもいない彼女自身 走る 走る 夏の風に吹かれて 殺人者はいない 盗人もい…
迷惑はかけない 世界の片隅でいい だから 好きにさせてくれ 東の町で子どもが子どもを殺し 西の町で親が子どもを殺し 南の町で電力会社が子どもを殺し 北の町で政府と官僚と国会が子どもを殺す 35℃の部屋で 扇風機はまわり …
家のローンはない 子供の教育費は必要ない ありったけの情を注いだ人はもういない あるのは、世界 世界がある 目の前に 血みどろで戦う中東とアフリカ 理念の戦士アメリカ 金に揺れるヨーロッパ 膨大な貧民を抱えるアジア こい…
オルゴールの雨の中 きらきら金の光が見える 大きな木の扉の窓 青黒い夜に包まれて 佇む灰色の影一つ 天使の歌は聞こえない 時の流れの向こうから 現れた絵画が 宇宙に満ちた波に揺れる 祝福と災いと 輝く愛とねじくれた独り言…
日曜日の朝の煌めきに 私の心は微笑んで 道を歩こう 空と風と木と水の声を聞こう 日曜日の昼の静けさに 私の心は安らいで 本を読もう ここにいない人と話をしよう 日曜日の夜のさざめきに 私の心は華やいで 歌を聞こう ここに…