20240507『人新世の「資本論」』斎藤幸平

『人新世の「資本論」』斎藤幸平
2020.9.22発行

※下記は某サイトよりコピー。しかしこの本は金融業界全体を敵にまわした。勇気だねえ。

◇本の概要
「新書大賞2021」受賞作
人類の経済活動が地球を破壊する「人新世」=環境危機の時代。
気候変動を放置すれば、この社会は野蛮状態に陥るだろう。
それを阻止するには資本主義の際限なき利潤追求を止めなければならないが、資本主義を捨てた文明に繁栄などありうるのか。
いや、危機の解決策はある。
ヒントは、著者が発掘した晩期マルクスの思想の中に眠っていた。
世界的に注目を浴びる俊英が、豊かな未来社会への道筋を具体的に描きだす!
◇各界が絶賛
■佐藤優氏(作家)
斎藤は、ピケティを超えた。これぞ、真の「21世紀の資本論」である。
■ヤマザキマリ氏(漫画家・文筆家)
経済力が振るう無慈悲な暴力に泣き寝入りをせず、未来を逞しく生きる知恵と力を養いたいのであれば、本書は間違いなく力強い支えとなる。
■白井聡氏(政治学者)
理論と実践の、この見事な結合に刮目せよ。
■坂本龍一氏(音楽家)
気候危機をとめ、生活を豊かにし、余暇を増やし、格差もなくなる、そんな社会が可能だとしたら?
■水野和夫氏(経済学者)
資本主義を終わらせれば、豊かな社会がやってくる。だが、資本主義を止めなければ、歴史が終わる。常識を破る、衝撃の名著だ。

90年代からの失われた30年の原因は。よく聞く問いだ。答えは、新自由主義を進めたから。1980年代の中曽根~小泉政権は新自由主義を進めた。国鉄・電電公社・郵政などの民営化や、派遣による福祉的政策の廃止(年功序列、終身雇用)。どうしようもなかったのだろう。脱資本主義に踏み切れなかった。今もそうだ。ビジョンがはっきりしない。どのようなロードマップなのか。斎藤氏はこの本でそれを見せてくれるのか。まあ、四年前に出版された本だが。その四年間で実感できる変化はない。残念ながら、まだ現実には反映されていない。
※ちなみに小泉政権までの90年代の総理
第75代 宇野宗佑 1989~1989
第76,77代 海部俊樹 1989~1991
第78代 宮澤喜一 1991~1993
第79代 細川護煕 1993~1994
第80代 羽田 孜 1994~1994
第81代 村山富市 1994~1996
第82,83代 橋本龍太郎 1996~1998
第84代 小渕恵三 1998~2000
第85,86代 森喜朗 2000~2001

はじめに――SDGsは「大衆のアヘン」である!(※やっぱりSDGsは、ただの気休め、免罪符なのか)

p23
本書が最終的に掲げたい「大きな変化」とは、資本主義システムそのものに挑むことである。
※ある意味、世界征服宣言。


◇第1章:気候変動と帝国的生活様式
気候変動が文明を危機に/フロンティアの消滅―市場と環境の二重の限界にぶつかる資本主義

p25 資本主義と地球の関係


◇第2章:気候ケインズ主義の限界
二酸化炭素排出と経済成長は切り離せない

p82
▶電気自動車の「本当のコスト」
リチウムイオン電池
リチウム 最大産出国チリ
リチウムは地下水として長時間濃縮。地下水の膨大な汲み上げ。生態系に影響。例えばフラミンゴや住民達に影響。
p84
要するに、先進国における気候変動対策のために、石油の代わりに別の限りある資源が、グローバル・サウスで収奪。
次にコバルト(略)
※電気自動車は地球環境を、よくはしない。大企業は知らぬふりしてSDGsを高らかに歌って…そんなことか。


◇第3章:資本主義システムでの脱成長を撃つ
なぜ資本主義では脱成長は不可能なのか

p118
気候対策は、生活レベルを1970年代まで落とすことを求めている。
※ほお。甘いな、それで済むと。笑
p118
1970年代、資本主義はシステム危機。それで(※福祉や労働者を切り捨てて)新自由主義。民営化、規制緩和、緊縮政策、金融市場・自由貿易拡大からグローバル化(ヴォルフガング・シュトレーク『時間稼ぎの資本主義』2016)。(略)脱成長のポスト資本主義に大転換するしかない。


◇第4章:「人新世」のマルクス
地球を〈コモン〉として管理する/〈コモン〉を再建するためのコミュニズム/新解釈! 進歩史観を捨てた晩年のマルクス
◇第5章:加速主義という現実逃避
生産力至上主義が生んだ幻想/資本の「包摂」によって無力になる私たち
◇第6章:欠乏の資本主義、潤沢なコミュニズム
貧しさの原因は資本主義
◇第7章:脱成長コミュニズムが世界を救う
コロナ禍も「人新世」の産物/脱成長コミュニズムとは何か
◇第8章 気候正義という「梃子」
グローバル・サウスから世界へ
おわりに――歴史を終わらせないために

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