今日の本-ほんとうの環境問題-20080716

ほんとうの環境問題/池田清彦×養老孟司
ちょっとまとめてみました。まあ、覚書です。

Q1.温暖化問題とは?
A1.100年後に気温が2.8℃上昇し、海面が35cm上がる(とIPCCは言う)。

Q2.IPCCとは?
A2.気候変動に関する政府間パネル(Intergovernmental Panel on Climate Change、IPCC)
http://ja.wikipedia.org/wiki/を参照
まあ…各国政府の息のかかった御用学者であろう。

Q3.IPCCの予測とは?
A3.地球温暖化の93%が人為的な要因で、うち53%が二酸化炭素のせい。

Q4.IPCCの予測から何が導かれるか?
A4.下記の通りである。
[1]二酸化炭素が温暖化に与えている影響=93%×53%=49.3%(約5割)

[2]世界が出す二酸化炭素の量=265億トン/年。100年分なら、2兆6500億トン。

[3]京都議定書の対照になっている国(先進国)が出す二酸化炭素=うち約60%
京都議定書を批准している国が出す二酸化炭素=さらにその約60%

[参考]
あとの4割の先進国(アメリカやカナダ)は京都議定書を批准していない。
ちなみにアメリカは二酸化炭素全体の22%を出している。
日本は全体の5%を出している。

[4]まとめると、次のようになる。
上記[3]より、60%×60%=36%の二酸化炭素を出している国々が…
→「二酸化炭素を6%減らしましょう」といっている。(京都議定書)

36%の6%を減らすと、約2%である。
つまり、京都議定書の批准国が全員100年間約束をきっちり守っても…
→2兆6500億トンのうち2%が減るだけである。(上記[2]より)

しかも上記[1]より、温暖化の原因の約5割が二酸化炭素のせいなら…
京都議定書を守っても温暖化を防げるのは全体の1%(2%の5割)でしかない。
つまり、海面が35cm上昇するところ34.65cmほどに抑えられるだけである。

★これにどんな意味があるのか?

Q5.日本が京都議定書を守れば世界の二酸化炭素が6%減るか?
A5.減らない。日本は全体の5%だから5%×6%=0.3%減らすことになる。
温暖化の原因の5割が二酸化炭素ならば0.15%、すなわち…
2.8℃の気温上昇を0.004℃下げるのに貢献する。
★これにどんな意味があるのか?

かかる費用は税金一兆円/年である。国家予算を約85兆として、1.2%にあたる。
★こんな税金の使い方をしてよいのか?だったら年金・福祉・医療や、あるいは、損得抜きでツバルが沈まないためにど~んと一兆円つかったらどうか。感謝もされるし、日本の生き様を世界に示せるではないか。

Q6.日本は省エネが進んでいるので事実上二酸化炭素を減らせない。(6%減らすどころか6%増えている)京都議定書を守るために日本は他国から排出権を買わなければならない状況である。いまのままだといくら分買わなくてはいけないか?
A6.二兆円。国家予算の2.4%。
★こんな税金の使い方をしてよいのか?

Q7.温暖化のデメリットとして生態系の破壊がよく挙げられる。例えば海氷が小さくなるから温度が2℃上がるとホッキョクグマが絶滅するという。これは本当か?
A7.ホッキョクグマは10万年前くらいからいて、4000年前には今より2~4℃高かったが生き延びている。順応して食性や生態を変えたのであろう。(でないと、4000年前に絶滅しなかったわけがわからない)

Q8.IPCCは第三次報告で、温暖化の影響でマラリアの蚊が増えてマラリア感染率が増えると書きたかったようだが、これは本当か?
A8.過去を見ればわかるようにマラリアはヨーロッパには昔からずっとあったし、日本にもマラリアはあった。それがなくなったわけだから、マラリアと地球温暖化は関係ないのは明らかである。(ヨーロッパや日本にマラリアがあったときに地球は温暖化していたか?答えはNO。つまり「温暖化状態でなくなったからマラリアが絶滅した」わけではないから、「温暖化状態になったらマラリアの感染率が上がる」という論理は成立しない。)

Q9.二酸化炭素削減は、環境のためにやっているのか?
A9.EUが排出権取引を立ち上げてしまったから、その枠組みを維持するために「気候変動枠組条約締約国会議」がある、という倒錯的なことになってきている。
二酸化炭素排出量の削減目標を決めて、それにもとづいて排出権を取引することが目的になってしまっている。環境のためにやっているのではなくて、金儲けのためにやっているとしか思えない状況になってきている。
もっとシンプルに科学的に考えた方がいい。エネルギー資源の問題をどうするか、とか、食べ物をどうするか、とか、本来はそれが一番重要な問題でしょう。

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