20220716『高校生からわかる「資本論」』池上彰

原料+人間の労働=商品(価値)。 分業制。 商品=使用価値と交換価値。 商品と金や銀を交換。貨幣。 金本位制。 両替商の預かり証(信用券)。紙幣。 中央銀行だけが紙幣を発行。 ブレトン・ウッズ体制。ドル・金本位制。1ドル360円。ドルが世界貨幣。 マーシャル・プラン。ベトナム戦争。 1971ニクソン声明。変動相場制。 貨幣(価値)を貯める黄金欲。p92 〈貨幣〉がついに〈資本〉になる。p94 お金で何か商品を買い、付加価値つけて、はじめ以上にお金を増やす。こういう運動を始めたお金のことを資本という。※自己増殖運動する金=資本 p95 自分が増えていきたいよ、という自己目的の運動でしかない。p96 その運動には終わりがない。※井上陽水の歌だな。限りない欲望。 p96 「この運動の意識的な担い手となったとき、貨幣所有者は〈資本家〉となる(マルクス)」※社長さんだね。 p97 お金はものを買えるけど、お金自体は空腹を満たせない。それをマルクスは「抽象的な富」と言った。そんなお金を増やすことだけが目的になると「彼は意志と意識をもつ人格化された資本として機能する(マルクス)」 ※金の亡者であり、生きた人間ではない。ってとこか。社長=人格化された資本。 p98 最初のうちは「あの人に仕事がないならかわいそうだ。じゃあ、うちの会社で雇ってあげよう」なんて思っていたかもしれないけれど、いつしか資本を増やすためだけに一生懸命になり、冷酷な人間として「サッサと首を切ろう」という人になってしまうよ、と言っているわけだ。※池上彰さんはわかりやすい表現がうまい。 p98 マルクスは『資本論』の最初で、別に資本家のひとりひとりが悪いわけじゃないんだよ、とわざわざ言っています。いい人かもしれないけど、ただ、お金を増やそうと考えていると、どんな人でも結果的に資本家として冷酷なことをせざるを得なくなる。経済の動きとして自然にそうなってしまう、と言ってます。p99 使用価値など関係なく、「もうかるんなら構わないや」と言っていろんなものをつくり出してしまう。そして資本家はお金の奴隷になる。たとえば産地偽装事件。p101 商品を買って売る段階で、価値が増えるのはどうしてか。それをこれからかんがえます。 【第7講 労働力も商品】p105 使うことによって価値が増えてしまう。そんな特別な商品ってあるのだろうか。実はそれが労働力だ、ということです。※資本家は(人間の)労働力商品の上前をはねる(搾取する)ことで儲ける、か。自己増殖の仕組みは、搾取による。【第9講 労働者はこき使われる】 p164 ここまでの復習 ※マルクス『資本論』がわずか2頁にまとめられている。 【第10講 大規模工場が形成された】p168 昔から資本主義経済があったわけではない。個別に商品をつくるのではなく、みんなで同じところで大量生産するようになる。そうなって初めて、それは資本主義経済になる。【第14講 失業者を作り出す】p255 派遣労働者がホームレスになる。※マルクスは派遣労働者やホームレスを「農村出身の資本の軽歩兵(略)行軍しないときは野営する」と書いている。p257 『資本論』は19世紀の本だと思っていたら、「ああ、まさに今起きていることだ」と思うでしょう。少し前までの日本は工場への派遣労働者は法律で禁止していた。軽歩兵なんていなかった。新自由主義で、19世紀に戻ってしまったみたいだ。140年前の資本論を、今だからこそ、読んでその意味がわかる。【第15講 資本の独占が労働者の革命をもたらす】p263 それぞれの人は、置かれている立場によって、その人の意識が決められている。(※周囲の)存在が(※各自の)意識を規定する。※言葉を補わないと絶対分からない表現だ。マルクスもそれを訳した奴も不親切極まりない。というか、馬鹿か? 読む人のことを考えないエゴイストである。それをわざわざわかりやすく書き直してくれる池上彰さんのような人もいる。 p275 資本主義はそのままにしておくと、いかにひどい状況になるか。それをマルクスの『資本論』は伝える。日本の戦後は、そうならないように、いろんな規制をかけてきた。(※ルールを作ってきた)ところが新自由主義が出てきて、そんな規制をかけるから資本主義の発展には限界がある。そんなのやめればもっと良くなるから、と言う。それで規制をやめてみたら、ふと気が付けば、「一九世紀にマルクスが言ってたのと同じことがまた起きちゃった」って、今わかった。【第16講 社会主義の失敗と資本主義】p279 資本主義の国は社会主義の国ができたことに危機感。革命を警戒した。p280 資本主義は、資本家たちが勝手に売れるものをつくる。やがて需要以上に供給が増え、買う人がいなくなる。景気が悪くなり会社はつぶれ失業者は増える。最後にわずかに残った会社が残っていた需要を満たすようになり、次第にまた景気がよくなる。この繰り返しだった。有効需要を国がつくれ、とケインズは言った。赤字国債を発行して、公共事業をすることによって、商品に対する需要をつくり出し、景気をよくすればいい。p281 労働者の権利を守る仕組みも整備。老後不安解消のため年金制度も。失業保険も。革命は起きないで今までやってきた。しかし社会福祉によって借金増加。国会議員は景気悪いから借金して公共事業やれと言う。p282 借金は景気よくなっても返さない。そのまま国が口を出す事業が増え、公務員の数が増え、「大きな政府」ができて国の仕事は効率が悪くなる。ヨーロッパでは、社会福祉が充実したので「働かずに国の援助で生活した方が楽だ」という人が増えてしまった。イギリス保守党の鉄の女サッチャーが労働者を守る規制を次々撤廃。レーガンも。そして米英の経済活性化。中曽根も。その後、小泉も。派遣労働解禁。p283 ケインズ式をやりすぎて皆が働かなくなったので、戻そうとしたら、戻し過ぎちゃった。人間は試行錯誤を繰り返す。

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