20220615『公安調査庁』

『公安調査庁』2020.7.10発行 【第1章 金正男】p16 マレーシアのクアラルンプール国際空港で、2017.2.13二人の女性が金正男を暗殺。(略)2001.5.1(5日前に小泉新政権誕生)、偽造パスポートが見破られ、金正日の長男である金正男が、密入国の疑いで身柄拘束。この拘束劇の主役は公安調査庁。p20 史上最高の支持率で船出した小泉内閣にとっては「招かれざる客」。佐藤|外務省の国際情報局分析第一課にいました。ただ私の受けた第一報は、日本外務省からじゃない。 手嶋|さすがというべきか、やはりというべきか、その筋ですね? 佐藤|もう、申し上げていいでしょう。ロシアの対外情報庁(SVR)の東京ステーション長から。「金正男が日本で拘束されたと情報が入ったが、詳しい話を取れないか?」と電話。五分後、イスラエルの諜報機関モサドの東京ステーション長からも。これほどの人たちが、急いで正確な状況を知りたがっている。いかに「大事件」だったかがお分かりでしょう。p23 佐藤|ああ、「田中大臣案件」になっているなら、私はこの問題に深入りするのはやめておこうと判断したのです。まあ結局、別の件で「面倒くさい」ことになって逮捕されてしまいましたが。(笑)※田中眞紀子はクソということか。 手嶋|川島裕外務事務官が「不法入国者は入管法の管理下にあって、外交判断だけでは無理だ」と説得しても「すぐに追い出しなさい」の一点張り。 佐藤|パニックでした。 手嶋|当時、外務省の対北シフトには、田中均経済局長、槙田邦彦アジア大洋州局長、平松賢司北東アジア課長という〈三羽ガラス〉がいましたが、田中眞紀子大臣に対してなにもできませんでした。 佐藤|カラスではなくて、蛇に睨まれたカエルです。(略)小泉さんの政権も(略)内閣支持率が高かったのは、「主」の小泉人気というより、眞紀子人気だったんですよ。実態は「田中・小泉内閣」。(略)p30 手嶋|金正男到着の極秘情報は、警備・公安警察でも、外務省でもなく、公安調査庁が握っていた。佐藤|いきさつは、手嶋さんのインテリジェンス小説『ウルトラ・ダラー』に詳しく出ています。※2010年に読んだが、内容の記憶がない。凡人の極みだなあ。p50 手嶋|〈2001年事件〉に繋がる〈2017年事件・クアラルンプールの悲劇〉。 佐藤|〈劇場型〉の殺し方は意味が。手嶋|普通に殺さない理由があった? 佐藤|そう、金正男はCIAから金を受け取っていた。 手嶋|CIAの情報提供者だったという報道も。 佐藤|裏切り者は、たとえ〈白頭(ペクト)の血筋〉であっても、こういう運命をたどる。金正恩は、クアラルンプール空港で、強烈なメッセージを発した。 手嶋|金正恩は、2013年に、叔父の張成沢を処刑。張成沢は中国と結託して、金正男を金正日の後継者に、とも言われます。 佐藤|強制送還は、金正男が放浪の生活を強いられるきっかけになりました。あれが彼の命に直結した。  【第2章 コロナ禍】p65 手嶋|コロナ禍を機に、イギリスの情報コミュニティでは「パンデミック」が、戦争、テロ、サイバー攻撃と並んで最重要「レベル1」になったとBBCは報じた。p78 佐藤|そうした隙間(※外務省国際情報局が国際情報統括官組織に格下げされた)に入ってきているのが公安調査庁であり、内閣情報調査室。つまり外務省が情報を取れなくなっていることと、トレードオフの関係。p108 佐藤|1972ミュンヘンオリンピック〈黒い九月〉事件。パレスチナの武装集団〈黒い九月〉が、選手村のイスラエル選手団宿舎を襲撃。p110 手嶋|イスラエル政府は報復としてシリア、レバノンのパレスチナ解放機構(PLO)の基地を空爆。ゴルダ・メイア首相はモサドの特殊部隊によって〈黒い九月〉のメンバーを暗殺。1980モスクワオリンピックは、1979.12ソ連のアフガニスタン侵攻に、アメリカは抗議して、日本や中国など約60カ国がボイコット。1984ロサンゼルスオリンピックはソ連がボイコット。 佐藤|ワルシャワ条約機構の各国では、ルーマニア(チャウシェスク大統領)だけ逆らった。アメリカの支援を引き出そうと。手嶋|1996アトランタオリンピックはミュンヘンの次のテロの標的。公園に爆弾。実行犯はキリスト教原理主義者。2013年ボストンマラソン。佐藤|チェチェンの血を引く若者のテロでした。手嶋|典型的な今日のテロ。〈ホーム・グロウン・テロ〉。しかも組織的な背景を持たない〈ローン・ウルフ〉型のテロ。 佐藤|使われたのは、圧力鍋を改造した爆弾。p114 佐藤|『回顧と展望(公安調査庁)』は(略)ロンドンオリンピック(2012)、ソチ冬季オリンピック(2014)、リオデジャネイロ(2016)、平昌冬季オリンピック(2018)(略)また、サイバー攻撃によるウクライナ大規模停電(2015)など(略)。 【第3章 インテリジェンスとは】p125 佐藤|東西冷戦崩壊後、「あの分野では対立していてもこの分野では協力する」という形のコリント(複数の国の諜報機関が協力して、機密情報を交換しあうこと)が活発化。手嶋|冷戦終結直後の湾岸戦争で、イラクのサダム・フセイン軍は米ソの共通の敵となりました。各地の国際テロ組織も同じ。p127 佐藤|この分野(ヒューミント)は、人工知能では代替できない。手嶋|金正男事件では、公安調査庁とMI6の〈コリント〉が成果を。これは、公安調査庁の地道なヒューミントが実って、MI6と人間的な信頼の絆が生まれて、可能となった。p130 佐藤|インテリジェンス・オフィサーがクライアント(政治指導者)から信頼を勝ち取れるか。基準は、どの国でも、たった一つ。近未来を予測できるか。p135 佐藤|2015年に日本人二名を人質にした時、彼らは「72時間以内に2億ドルを払え」(略)国内メディアは払うべきか否かの議論を展開(※馬鹿だな)。身代金を銀行振込にもできず、現金にすれば手提げ袋400個。受け渡しができるわけがない。「疑似命題」に惑わされるな。 手嶋|結局、二人とも殺されました。【第4章 「イスラム国」日本人戦闘員誕生阻止】 【第5章 DNAは特高も陸軍中野学校もGHQも】p178 手嶋|「カミカゼ特攻」を生んだ「天皇制超国家主義」を復活させるな。当初マッカーサー司令部の考え。初期占領政策の目的。 佐藤|日本軍部を突き動かした「ウルトラナショナリズム(超国家主義)」こそ、アメリカの「見えざる敵」。つくりだした右翼を、日本の組織で潰そうと。しかし、特高警察をもつ内務省は使えない。天皇中心主義の官僚制の頂点に君臨し、戦争を推進したとGHQ は見ていたから。手嶋|そこで内務省から「特審局」を切り離し、法務庁(司法省の後継。法務省前身。ちなみに内務省は廃止)に移管。特高色の内務省から、非政治色の法務庁に。司法省は、戦時中も手は汚れていなかった。中野正剛事件など、憲兵隊に対しても抵抗。p180 手嶋|「特審局」は右翼勢力の掃討(略)四七年に官公庁労組「二・一ゼネスト」試みられる緊迫状態。マッカーサーが前日に中止指令。以降、左翼勢力も監視。この時期の特審局はこぢんまりと一七〇人ほど。 佐藤|当時としては、かなりの力の入れようです。いまの内調だって総勢二〇〇人ほど。時代の空気は「革命前夜」に近いものがあった。

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