20211214 今日の本 図書館より

(1)『脳のなかの幽霊』ラマチャンドラン(カリフォルニア大学サンディエゴ校の脳認知センターの教授および所長)、サンドラ・ブレイクスリー(ニューヨークタイムズのサイエンスライター) 1999.7.30発行 p9 序 ラマチャンドラン博士は当代きっての神経学者の一人で、幻肢の特性と治療についてきわめて独創的な業績をあげている。p10 鏡を使い、患者の正常な右手を左の幻肢の位置に置いて見せるだけで効果は魔法のように現れる。手が正常に見えることが幻肢の感覚に対抗する。※視覚の脳部位と幻肢の脳部位の対抗。無意識vs. 無意識。非意識の心。意識はそれに関与できない。つまり脳の中に心(識)はいくつもある。意識はそのうちの一つにしかすぎない。まあ当たり前か。p12 ラマチャンドランの関心はいろいろ。宗教的体験の本質。側頭葉の機能不全をともなう驚くべき「神秘的な」シンドローム。笑いとくすぐったさの神経学。暗示とプラシーボの神経学。「私(自己)」そのものの成り立ちをのぞく。 p29【第一章 内なる幻】 p52【第二章「どこをかけばいいかごわかる」】p68 ペンフィールドの地図では足が生殖器の隣にある。だから足を失った人が生殖器に刺激を受けると、幻の足に感覚を感じる。これは入力がなくなった足の領域に生殖器からの入力が侵入してくれば、当然そうなると予想できる。p67 手を失ったトムは、口笛を吹くたびに幻の腕にひりひりと痛みを感じる。※頬に失った手の感覚。 p73【第三章 幻を追う】p98 身体イメージは、(※脳の)はかない内部構築であり、(※事故や)簡単なトリックで根底から変化する。身体イメージは、自分の遺伝子を子どもに伝えるために一時的につくりだした外形。※では今の現実もすべて「感覚」なので、何かあれば根底からくつがえる。つまり自分にとっての「事実」ではなくなる。「事実(私にとっての現実世界)=感覚が知らせる(単なる)現象」ということの確認だな。やはりマッハだ。 p99【第四章 脳のなかのゾンビ】※意識は「見えない」というが、視覚には見えている。ミルナー博士の検査で、ダイアンは手紙をポストに入れることができた。p102 脳にスクリーンはあるが(一次視覚皮質p108 )それを脳内の小人が見るのではない。p103 (※視覚は脳内スクリーンに映った)視覚対象物を記号化あるいは表象している(神経インパルスという言語p102 )。脳科学者としての目標は、脳が記号的記述をつくる(※小説の文字が風景を描写するように)ときに使う記号体系を解読すること。p105 「知覚は、無意識の推論」(視覚科学を創始したドイツの物理学者ヘルマン・フォン・ヘルムホルツ)。 p108 最初の地図(一次視覚皮質。視覚的世界p108 )で、(※初期段階処理の担当領域によってp108 )不要情報が廃棄される。(※そして必要情報が編集される。例えば)視像の輪郭をはっきりさせる属性(縁edge など)が強調される。漫画家のように。三〇ほどある別々の視覚野に、編集された情報の全部あるいは部分を送る。初期段階処理の担当領域は、(※このほかに)きわめて精巧な画像分析をして、より高次の視覚領域からの大量のフィードバックを収容する。これは後述する。p110 (三〇の領域のうち)MT野が傷つくと「運動盲」に。V4野が傷つくと色盲に。p114 「盲視」※意識は見えないが視覚には見えている。(略)視覚には系統発生的に古い視覚経路と新しい視覚経路(霊長類でよく発達p111 )がある。新しい視覚経路が傷つくと意識には「見えない」が、古い視覚経路は無傷なので、おそらくこれが「盲視」を成立させている。(略)古い視覚経路(※無意識)は、何が起こっているかを「私」がまったく意識していなくても、視覚入力を使えるということ。すると意識(※「私」)は、進化的に新しい視覚経路にしかない性質なのか。そうならば、なぜこの経路は心(※意識、「私」)にアクセスする特権をもっているのか。この疑問は最終章で検討。※「いかに」経路と「何」経路の112頁写真あり。 p117 「何」経路を除去されたサルは歩き回ることはできたし、ケージの壁にぶつかることもなかったが、火のついたタバコを前に置かれるとそれを食べようとしたり、ニワトリや猫にまで交尾の姿勢で乗りかかってきた。(略)まれに、クルーヴァー・ビューシー・シンドロームと呼ばれるこの症状に似た一連の症状を示す(両側の側頭葉に広範囲な損傷を受けた)人がいる。※視覚には古い経路「無意識」と新しい経路「意識」があり、新しい経路にはさらに頭頂葉「いかに」経路(ゾンビ)と側頭葉「何」経路がある。p123 私の中に別の存在がいて、知らないところで、自分のすべきことをしている。そういうゾンビは脳の中にたくさん存在する。単一の「私」は幻想かもしれない。「私」という考え方は、「あなたの生活を効率よく組み立て、あなたに目的を与え、人との交流を助ける」が、幻想かも知れない。※あるいは現象。 p124【第五章 ジェームズ・サーバーの秘密の生活】p126 シャルル・ボネ・シンドロームの患者は、失った現実の「代わり」のように、いきいきとした幻覚を見る。世界中でごくふつうにみられ、緑内障、白内障、黄斑変性、糖尿病性網膜症などで何百万人も、この障害に。p129 だれでも眼に生まれつき盲点があることは、一七世紀にフランスの科学者エドマ・マリオットが予測していた。マリオットは人間の眼を解剖して、網膜に視神経乳頭という、視神経が眼球から出ていく部位があることに気づいた。そしてこの視神経乳頭が、網膜の他の部分と違って、光を感じないことを知った。※一七世紀はニュートンの世紀。p150 まったく視力のない下半分、つまり鼻から下は、架空のもの(※幻覚)しか見えなかった。 【第六章 鏡のむこうに】p160 眼のメッセージはまず脳の後部にある一次視覚皮質の領域にマップされる。そこから、頭頂葉にむかう「いかに」経路と、側頭葉にむかう「何」経路を通って伝達される。側頭葉は個々の対象物の認知と名指し、それに適切な感情で対象物に反応することに関与。一方、頭頂葉は外界の空間的配置の識別と、あなたが空間を通って進んだり、対象物に手をのばしたり、飛んでくるものを避けたりすることを可能にする。※「大脳辺」の解説大脳半球の内側面にある古皮質・旧皮質の総称。 梁 のうりょう ・ 海馬 かいば などが属し、本能や情動の中枢で、新皮質の縁にある。(kotobank)p161 脳の特化した領域は、視覚系、聴覚系、体性感覚系、網様体賦活系(脳幹)、大脳辺縁系、前頭葉。これらの領域は能動的なフィードバック・ループでたがいに結合し、最後に結論する。逃げるか、戦うか、食べるか、キスするか。作動した結果が知覚となる。 【第七章 片手が鳴る音】p206 フロイトによれば(1)コペルニクス革命が、それまでの地球中心の宇宙観を、「地球は宇宙の小さな塵に過ぎない」と変えた。(2)ダーウィン革命は、「人間は(たまたま進化した特性のおかげで一時的に成功している)毛のない幼形成熟(ネオテニー)の類人猿だ」。(3)フロイト革命は、「無意識の発見」と、それに随伴する「『(※意識が身体を)管理している』という人間の思いは幻想だ」。(略)宇宙論や進化や脳科学がなぜ魅力的なのか。自分はより大きなものの一部、自分は進化する宇宙という永遠に展開するドラマの一部。そう知れば、命に永遠はないという事実の恐ろしさが減る。進化も同じで、時間と空間の意識がもたらされ、自分を遠大な旅の一部と見ることができる。脳科学も同じで、心や体とは別に「魂があるという考えを放棄した」。※放棄したら虚しいだけだけどね。生の意味などなくなるから。大きなものの一部で、「どうしようもない、できるだけ楽しめ」と諦めちまうだけ。 p255【第十章 笑い死にをした女性】p257 患者を笑わせる異常な活動性ないし損傷は、かならずと言っていいほど「辺縁系、則ち情動に関与する海馬、乳頭体、帯状回」などを含む一つながりの組織の中にある。
(2)『脳のなかの幽霊、ふたたび』p11 「高尚な衝動が、実世界という流刑地から逃避できる」(ラッセル) p14 【第一章 脳のなかの幽霊】p14 コペルニクス(略)ダーウィン。「人間は天使ではなく毛のないサルにすぎない」(トマス・ヘンリー・ハクスリー)(略)フロイトの「無意識」の発見。行為のほとんどは無意識に支配されている。p15 いまや脳の解明という最大の革命。p16 脳は一千億個のニューロン。ほかのニューロンと、千~一万個の結びつき(シナプス)。脳がとりうる状態の数は、宇宙の素粒子の数を上回る。p23 脳の視覚中枢と情動中枢である辺縁系との結合は問いを提起する「芸術とは何か?」。脳はどのようにして美に反応するか? 第三章でとりあげる。 p43 【第二章 信じることは見ること】p53 意識にはどんな利点があるのか、なぜ進化したのかという謎の解明。私の見解はバートランド・ラッセルの「宇宙には〈精神的なもの〉と〈物的なもの〉という区別はなく、両者は同一である」という見解と一致。(中立的一元論)p61 他人の動作を判断するには、たぶん、その人がしていることを仮想現実として脳内でシミュレーションする。ミラー・ニューロンはそれに関与するのではないか。他人の行為や意図を解釈する重要な意味をもつニューロンではないか。 p64【第三章 アートフルな脳】p69 (※著者)提言の芸術不変法則 一、ピークシフト 二、グループ化 三、コントラスト 四、孤立 五、知覚の問題解決  六、対称性 七、偶然一致を嫌う/包括的観点 八、反復・リズム・秩序性 九、バランス 十、メタファー p86 なぜ人は芸術作品を作ったり、味わったりするのか。(略)第四は、芸術はバーチャルリアリティ・シミュレーションとして進化した。想像でデートする。実際のデートと同じ回路の多くが活性化する。※まったく同じではない。まったく同じならデートしなくなる。と、筆者は言うが、ほとんど同じなら、それで済ませてしまうのが近未来だろう。想像力を補う「小道具」が「芸術」だと筆者は言う。「スーパー小道具」が現代の各種VRグッズだ。それは近いうちに現実を超えるだろう。つまり現実以上の幸福感を使用者に提供するだろう。 p91 「君の愛は、ただの化学物質で、ホンモノじゃないのか?」「この脳の活動(の化学物質)こそ愛している証拠よ。これが愛の存在の証拠よ」※異次元の別世界に愛があり、それがこの世に投影されている。と考えるか。ただのアルゴリズム、と考えるか。それは各自の自由。異次元の別世界の存在証明は現時点ではできないから。 p110 数ほど抽象的なものはない。たとえば「五であること」は、〈角回〉というかなり小さな領域に表象される。ほかの抽象的ないくつかの概念も脳の中にあって、結合をたくさん持った(=芸術的才能をたくさん持った)人は、普通の人たちよりも楽々と抽象的概念を結びつけられるかもしれない。p113 (脳の)角回は、人間が得意な「抽象化」の原始的な始まり。※図形と音声の結びつけ。図形「星」「アメーバ」と音声「きき」「ブーバ」。 p124 余興は終わった。あの役者たちは、さきほども言ったように、みな妖精で、空気のなかに、淡い空気のなかに溶けていった… われわれは、夢と同じようなものでできている、そしてわれわれのささやかな一生は、眠りで締めくくられるのだ。(『テンペスト』より) p125 【第五章 神経科学~新たな哲学】 精神疾患は二つの伝統的なアプローチがある。一つは化学物質のアンバランス、(略)すなわち薬を使ってその変化を修正するアプローチ。驚異的な成功。 p126 二つめは、フロイト的アプローチと呼ばれる。精神疾患の原因は育てられ方である。私(※筆者)は、第三のアプローチを提起したい。 p128 ヒステリー性の麻痺のある患者に学者たちが実験をした。結果、患者が脚を動かそうとしたところ、本気で動かそうとしていると本人(※意識)が言っているにもかかわらず、運動野は光らずに、別の部位が光った。前部帯状回と眼窩前頭皮質です。前部帯状回と眼窩前頭皮質(※ネズミの脳)が、脚を動かそうとするヒステリー患者(※意識。人間脳)の試みを阻止あるいは拒絶している。前部帯状回と眼窩前頭皮質は、辺縁系の情動中枢と密接に結合している部位。(※つまりネズミの脳) ヒステリー性の麻痺は、なんらかの情動的なトラウマがたとえば脚の動きをじゃましているために起こるとされている。 p144 私(※筆者)の見解は、自己は一セットの属性(身体性、行為主体性、統一性、連続性)によって定義されるという先述の見解を踏まえたもので、「脳内事象の観点から、いずれは、これらの(自己の)属性を個々に説明できる」。※異世界にある魂とのリンクみたいな説を否定はしないし、できない…ということか。 p144 科学者はもはや「生命とは何か」と問わなくなった。生命とは、多数のプロセス(DNAの複製および転写、クレブス回路、乳酸回路などなど)の集合に対しておおまかに用いられる言葉であると認識されている。同様に、今後、自己とは何かという問題は消えるかもしれない。
(3)『山嵐』まあ面白かった。波瀾万丈の人だったんだなあ。西郷四郎。
(4)『農業消滅』p220 根本的には(※コロナ禍をふまえ)都市への人口集中という三密構造そのものを改め、地域を豊かにし、地域経済が観光や外需に過度に依存しないで、地域のなかで回る循環構造を強化する。※まあ理想論だね。 p220 地域に働く場をつくり、生産したものを消費に結びつけて循環経済をつくるには、農林水産業こそが核になる。※キツい産業なので機械化というかAIにやらせるくらい技術が進むのを待つしかない。漁業は養殖。代替肉の方法も。  p221 日本は年間所得127万円未満の世帯割合(相対的貧困率)が15.4%で、アメリカに次いで先進国で悪い。※世界の貧困率ランキング まあ、他国とさほど差はない。こんなものではないか。ブラジル、韓国、イスラエル、メキシコより良い。10%切っているのは主要西欧諸国。
(5)『ブラック・チェンバー・ミュージック』
(6)『機械学習をめぐる冒険』
(7)『脱炭素革命への挑戦』2021.9.25 ※特に目新しいことは書いてないが、やはり中国がキーマンだな。2030年にはどうなってるかな。 ※ダイベストメント(Divestment)とは、投資(Investment)の対義語で、すでに投資している金融資産を引き揚げること。 ※産業革命前からの気温上昇を二度未満に抑えるためには、累積CO2を三兆トン未満に。しかしすでに二兆トン累積。一・五度未満なら2010年までに超えるだろう。各国が保有する石炭資産は座礁資産(死に資産)。
(8)『この気持ちもいつか忘れる』
(9)『百間、まだ死なざるや』p21 慶長二年(一五九七)岡山城が豊臣秀吉の信頼の厚かった宇喜多秀家によって築城された。関ヶ原の戦いで宇喜多秀家は、豊臣方の主力として戦って敗れ、八丈島に流される。かわって寝返りで徳川方に勝利をもたらした小早川秀秋が岡山に入城する。秀秋が跡継ぎのないまま若くして亡くなると、家康の外孫にあたる池田忠継が姫路から移り、江戸期を通じて岡山藩は、西国の外様大名へ睨みを利かせる。
(10)『バーチャル・リアリティ百科』2021.10.30発行 ※VRは子どもの目に悪い。当然だが。未来はリアルよりバーチャルで幸福な時間を過ごす、か。幻から人工幻へのシフトだな。

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