20210212『NHKスペシャル 2030 未来への分岐点2「飽食の悪夢 水・食料クライシス」』

NHKスペシャル 2030 未来への分岐点2「飽食の悪夢 水・食料クライシス」[字]…の番組内容解析まとめ

出典:EPGの番組情報

NHKスペシャル 2030 未来への分岐点2「飽食の悪夢 水・食料クライシス」[字]

先進国の飽食が、世界中に「飢餓のパンデミック」を拡大させている。現在の食料システムのままでは、人口が100億に達する2050年に待っているのは破滅という悪夢。

番組内容
先進国の食への飽くなき欲望が、世界中に「飢餓のパンデミック」を拡大させている。日本で一年間に出される食品廃棄物を世界に分配すれば、飢餓問題の多くを解決すると言われるほどだ。富めるもの、富めないものを分ける現在の食料システムを2030年までに改善できなければ、その先の未来に待ち受けるのは「破滅」という悪夢であると研究者たちは指摘する。俳優の森七菜さんが2050年の日本で直面するものとは…。
出演者
【出演】森七菜,国谷裕子,【朗読】中村蒼,【語り】井上裕貴

♬~

[ 心の声 ] また 夢を見ていた。

[ 心の声 ] 食べることができない人たちが
通りにあふれていた。

えっ これ… これっぽっち?
高いよ もうちょっと まけておくれよ!

じゃあ 今日は おまけしちゃう。
ありがとう。   ダメだって おやじさん。

[ 心の声 ]
食べ物の値段が ものすごく高い。

[ 心の声 ]
街はすっかり変わり果てていた。

(メッセージの着信音)

[ 心の声 ] 繁栄?

試練?

♬~

繁栄を追い続けた未来に
待っているのは

食料を巡る悪夢だ。

今 人類が抱える さまざまな課題。

最新の科学は 2030年ごろに
限界に達すると警告しています。

資源の大量消費 人口爆発と食料問題

そして 加速する温暖化。

飽くなき人間の活動は
地球の運命を左右し始めています。

更に 急速に進化するテクノロジー。

使いみちを誤れば
大きなリスクになるおそれがあります。

危機を乗り越える道筋を探る
「シリーズ2030」。

第2回は 水・食料を巡る危機。

今 世界中で 食料難に陥る人々が急増。

国連は 飢餓が拡大していると
警告を発しています。

その最大の要因は

日本など 先進国で続く
食料資源の飽くなき浪費。

日本で 食べられるのに捨てられている
食品を世界に分配すれば

2億人近くの飢餓を解消できると
いわれています。

そして 豊かさを過剰に求める
食料システムが

大地に
負荷をかけ続けています。

今後 地球温暖化や
土地の荒廃によって

危機は深刻化していきます。

2050年に 人口100億となる世界。

食料資源の激しい偏りが

紛争の連鎖を生むことも
明らかになってきました。

私たちは 持続可能な未来を
選択できるのか?

2030年までの10年間を

どのように歩んでいくべきなのか。

水・食料クライシスが
現実化しようとしています。

(テレビ)「ニューヨーク一と評される
ステーキハウスの舞台裏に潜入」。

[ 心の声 ] この間から
何度となく見る あの悪夢…。

あれは 一体…。

まけておくれよ。

(テレビ)「向かったのは
ニューヨーク・ブルックリン。

こぞって注文するのが
ボリュームたっぷりのTボーンステーキです」。

[ 心の声 ]
でも 私たちには 関係ない世界か…。

あっ 時間!

(メッセージの着信音)

何これ… 「後悔する」?

君たちのその飽食が
食料システムを崩壊させるんだ。

「食料システム」?

[ 心の声 ] 「飽食」って…

一体 何なの?

世界各国に広がる
新型コロナウイルスの脅威。

その陰で 今 地球規模で
食料難に陥る人々が 急増しています。

国連が 飢餓のパンデミックと
警鐘を鳴らす危機。

8億もの人々が 飢餓状態にあると
見られています。

一方 私たちの暮らす日本は

依然として 世界一ともいわれる飽食を
謳歌しています。

食品廃棄物を受け入れ
豚のエサに加工処理をしている工場です。

ここには 毎日 35トンもの
廃棄された食品が持ち込まれます。

スーパーやコンビニなどから出た
大量の食品。

まだ 十分に食べられる食材が
ほとんどで

賞味期限内のものも 少なくありません。

日本で 生産から流通
消費の段階で発生する食品ロスは

年間612万トン。

これは 国連などが世界各地で行っている
食料支援の

およそ1.5倍の量です。

飽食と飢餓 今 世界は
2つに切り裂かれているのです。

こうした現状に危機感を抱いてきたのが

SDGsの問題に取り組んできた

国谷裕子さんです。

新型コロナが猛威を振るった去年
食料支援が評価され

ノーベル平和賞を受賞した
国連の世界食糧計画・WFP。

デイビッド・ビーズリー事務局長は

現在の食料危機の背景には

この世界がはらむ
大きな矛盾が存在すると指摘します。

去年 全世界で生産された穀物は
26.7億トン。

過去最高を記録しました。

これを現在の人口で割ると

1日およそ2, 350kcal。

生存条件とされる
十分な食料を生産していました。

しかし 世界の飢餓人口は

パンデミックの6年も前から

上昇し続けているのです。

ビーズリー事務局長が指摘する

持続可能ではない脆弱な食料システム。

現代人が大量消費する
肉を通して見ると

自然に大きな負荷をかけている実態が
浮かび上がってきました。

第2次大戦後
世界中で消費量が拡大し続けている肉。

その需要を支える アメリカ中西部
カンザス州の畜産場です。

650万頭に及ぶ
大量の食肉牛が育てられ

年間280万トンを生産しています。

牛のエサとして与えられているのは
大量のトウモロコシ。

牧草に比べ 経済効率が高く
肉の大量生産が可能になります。

牛肉1kgの生産には

6kgから20kgの穀物が
必要だといわれています。

世界の食肉生産量は 2億5, 000万トン。

それを賄うために
世界で生産される穀物の

実に3分の1が使われています。

穀物を育てるために必要になるのが
膨大な水です。

しかし 今 穀倉地帯の大地に
不気味な異変が起きています。

カンザス州の広大な穀倉地帯。

円い部分は全て トウモロコシ畑です。

この地域は 地下水に頼って

家畜に与える大量のトウモロコシを
生産してきました。

この一帯は オガララ帯水層と呼ばれる
地下水が 唯一の水源です。

しかし 近年
その帯水層の枯渇が進んでいます。

この日は 地下水保全を専門とする
州の担当者が調査に訪れていました。

(石が当たる音)

今 こうした地下水の枯渇は
全世界に広がっていることが

最新の研究で明らかになってきました。

地下水がいつまでもつのか
シミュレーションした論文です。

地下水の過去のくみ上げ量と

その周辺の河川の水量から

いつ限界に達するか 分析しました。

その場所は 2030年から急増。

2050年には 世界の7割の地域で

地下水の枯渇に直面するのです。

今 全世界の水の7割は
農作物の生産に使われています。

肉の大量消費が 水不足を引き起こし
更なる危機を招いているのです。

脆弱さがあらわになってきた
食料システム。

もう一つの要因は
食料資源を巡る大きな偏りです。

一つの食品を輸入した際に

生産国の資源をどれだけ使ったかを
水を指標として表す…

例えば 牛肉1kgを輸入した場合。

生産するために必要な穀物などを
水に換算すると

その量は およそ1万5, 500リットル。

つまり 1kgの牛肉を
輸入すると

風呂およそ80杯分の水を
使う計算になります。

この指標を使って
世界の輸出入を分析すると

現在の食料システムの偏りが
浮かび上がります。

これは 世界のバーチャルウォーターの
取引量を表した地図です。

1980年代から先進国を中心に
取り引きが活発化。

近年は 経済成長が著しい
新興国の取引量も急増し

食料資源を巡る世界的な偏りが
大きくなっています。

その偏りは 世界で消費が拡大している

ワインなどの嗜好品も
加速させています。

世界有数のワインの産地
南アフリカ・ケープタウン。

近年 南アフリカは 記録的な干ばつに
何度も襲われています。

ダムが干上がり
深刻な水不足に陥っています。

こうした中
海外にワインを輸出するメーカーは

資金を投じて
大量の水の確保を進めています。

ため池を作って
水の囲い込みを始めているのです。

ここでは こうした方法によって

4割を占める海外輸出を
維持してきました。

一方 多くの人々が暮らすスラムは
深刻な水不足に陥っています。

スラムに住む人たちは

1日にバケツ2杯の水しか
使えないなど

厳しく制限されてきました。

水資源が枯渇する南アフリカから
世界各地へ輸出されていくワイン。

ワイン1本の生産にかかる水は

およそ650リットル。

日本人が1本のワインを飲む度に

南アフリカのスラム街の人々が

2週間かけて使う水を
消費したことになります。

食料自給率が38%の日本が

各国から輸入する
バーチャルウォーターは

年間80兆リットル。

これは 日本国内の水の年間使用量と
ほぼ同じです。

専門家は 今後
水に象徴される食料資源の偏りが

更なる危機を招くと指摘しています。

食料システムを巡る さまざまなひずみは
なぜ これほど大きくなったのか。

その始まりは 1960年代の

緑の革命と呼ばれる
生産体制の大変革でした。

人類は 急増する世界人口に
対応するために

農薬や化学肥料を
大量に使用することで

収量を飛躍的に増大させたのです。

単一品種の大規模栽培も進み

生産国と消費国が
切り離されていきました。

その結果
世界の食料の輸出量のおよそ80%を

20か国ほどが独占する体制が
作られたのです。

その象徴が 肉の生産に使われる
トウモロコシでした。

矢印が出ている国が輸出国。

世界のトウモロコシの輸出量の
およそ75%を

僅か5か国が担っています。

そして グローバル化の進展と
中国やインドなど 新興国の経済成長で

この傾向に より拍車が
かかろうとしています。

その結果 単一品種大規模栽培が進む
発展途上国が

より大きな負担を強いられることに
なりました。

近年 日本でも 高級なコーヒー豆の
産地として知られるようになった

アフリカ中部のウガンダ。

欧米資本の大手商社が出資し

環境にも配慮したコーヒー生産を
行っているとしています。

(銃声)

しかし 今
コーヒー農園の拡大によって

それまで自給してきた小規模農家が
農地を奪われる事態が頻発し

社会問題となっています。

農地を奪われ
その過程で父親を亡くした女性です。

整地するためのブルドーザーが
家ごと壊し

父親は下敷きになり 亡くなりました。

そして 単一生産の拡大で
自給できなくなった人々の増加は

新たな農地を求めて より広範な
森林伐採に つながっていきました。

世界で排出される温室効果ガスの
4分の1は

このさまざまな矛盾を抱えた
食料システムが原因とされています。

更に今 この食料システムのひずみに
拍車をかけているのが

先進国や新興国の飽食です。

おいしいものを できるだけ安く
たくさん食べたいという

人々の飽くなき欲求。

生産から消費の過程で廃棄されていく
大量の食品。

世界で生産される食料の
3分の1が捨てられ

それがまた 過剰な生産に
つながっています。

食料システム研究の権威

世界資源研究所のクレイグ・ハンソン博士。

今後 食料危機を回避するには

複雑に絡み合った課題を
同時に克服していく必要があると

指摘します。

[ 心の声 ] ここは… 渋谷!?

今日は とっても安かったね。
本当 安かったね。

今日は たくさん買ったからな。

僕ステーキ食べたい。 パパは何食べたい?

[ 心の声 ] 私が知っている渋谷とは…
何かが違っていた。

[ 心の声 ] 裕福そうな僅かな人と
多くの困っている人…。

何か不気味な感じだった。

(街頭ビジョン)
「待望の新曲 ついにリリース決定」。

2050年…。
「3月に先行発売」。

♬~

えっ これっぽっち?
えっ これ これっぽっち? 高いよ。

もうちょっと まけておくれよ!
じゃあ 今日は おまけしちゃう。

ダメだって おやじさん。

食べ物の値段が ものすごく高い…。

この前の半分じゃないか!
こっちだって生活かかってんだ。

ねえ お願いだよ。       ダメだよ。
お願い! ねえ。         ダメ。

泥棒!
待て!

お前!
許してください!

何を言ってんだ お前は!
あっ 痛っ。

ああ あ…
これで なんとか これで なんとか…。

それっぽっちの金じゃ
全然 足らねえんだよ!

あいたたた… 離して…

あいたたた… あいたたたた…。

[ 心の声 ] ものすごく高い!

♬~

好きなもん食べられんのは
金持ちだけさ。

これだけ? どうして…。

いっぱい お食べ。 ねえ。

[ 心の声 ] みんな 食べ物が買えないの?
でも 日本でなぜ?

食料危機なんて 遠い国の出来事…。

自分たちは関係ないと

思ってたんだけどね。

でも そんなこと 誰も言ってなかった!
こんなことが…。

(メッセージの着信音)

[ 心の声 ] また この分岐点が…。

食料問題も
2030年が分岐点になっていた。

2021年に生きる君たちは

地球の未来を決める
重要な10年を生きることになる。

君が見てきた最悪の2050年。

それは 2030年までの10年間に
君たちがとった選択が招いた世界だ。

2030年が分岐点… 私たちが招いた!?

君たちは
あと10年で食料資源の偏りを解消し

飢餓を解決させなければならなかった。

そうでなければ
地球は 君たちを養う限界を超える。

しかも 先進国の君たちが奪い続けた行為。
それが原因だ。

でも そんな…
私たちは普通に生きてきただけで。

それは 君たちの時代にも
多くの科学者が警告していたはずだ。

♬~

今 国連は 2030年までに
食料を巡るひずみをなくし

飢餓をゼロにするという
目標を掲げています。

2050年に 人口100億となる世界。

ただでさえ 脆弱な今の状況に
地球温暖化が加われば

100億人を養うことは
ますます困難になっていくからです。

既に その端緒は現れています。

去年 世界各地で大発生し
食料を食い尽くしていったバッタ。

これも 温暖化と関係していると
されています。

農薬や化学肥料の大量使用による
土地の荒廃で引き起こされる

大規模な砂嵐。

今後 温暖化によって頻発し

農地に 更なるダメージを与えると
いわれています。

世界食糧計画・WFPの
ビーズリー事務局長は

そのリスクは食料問題にとどまらないと
指摘します。

このまま 課題を放置した場合

世界は どのようなダメージを受けるのか。

その影響は 先進国にも及ぶといいます。

イギリスの環境経済学の専門家が
大手銀行と共同で試算した

「フードショック」と題された報告書です。

温暖化が進むと 数か国の穀倉地帯が

同時に 不作に陥る可能性が高まります。

すると 食料への不安が世界に広がり

各国に輸出停止が連鎖すると
結論づけました。

更に指摘されているのが
食料問題を超えた危機の拡大です。

過去に発生した暴動と
食料不安との関連を数式化。

輸出停止が連鎖した時に
暴動が起きる確率を算出したのです。

赤色の濃さで 輸出停止によって
暴動が起こる確率を表しています。

最も濃い赤が
10%以上

日本も 数%の可能性があると
されています。

世界的に起こる暴動は
食料生産を不安定化させ

危機は 最悪の場合 数年に及ぶと
指摘されています。

フードショックのリスクは
既に顕在化しています。

突如 国民の大半が
深刻な食料危機に直面した国があります。

かつては中東のパリと呼ばれたレバノン。

自給率は 40%といわれ

人々は 輸入に支えられて
豊かな食生活を享受していました。

人々の暮らしが一気に暗転したのは
2年前。

国家財政の悪化が急激に進み
激しいインフレに陥ったのです。

更に 去年発生した
国の備蓄庫の爆発事故で

食料価格の高騰に
歯止めが かからなくなりました。

今 多くの家庭が
瀬戸際に追い込まれています。

タウクさん夫妻は 国家公務員として働く
夫の給料で生活してきました。

幼い子ども3人を抱えるタウクさん。

海外旅行にも出かけ
週に何度も外食を楽しむという

中流以上の生活を送っていました。

しかし 今
レストランに行くことは できません。

食事に出せるのは 穀物と野菜だけ。

1年以上もの間
食卓から 肉や魚の料理が消えています。

レバノンのスーパーマーケットは
今も大量の食品であふれています。

しかし 食品は
世界共通の値段で売買されるため

貨幣価値が落ちると 値上がりします。

その結果 ほとんどの食品が

以前の3倍の値段になったのです。

このままでは 子どもたちを
食べさせられないと判断したタウクさん。

食料支援に頼ることにしました。

国民の半数以上が タウクさんと
同じ状況に陥っているレバノン。

今 全土で 食料を求める
デモや暴動が頻発し

社会不安が
極限に達しようとしています。

(爆発音)

現実化し始めたフードショック。

豊かな人々の危機への無関心が

地球規模の破滅につながると指摘する
専門家もいます。

理論環境学者のサファ・モーテ博士。

気象や地下水などの環境要因と

人口や経済など社会要因を統合した
シミュレーションを行いました。

その結果は 衝撃的なものでした。

食料などの資源の偏りを
放置し続けた社会は

ほぼ確実に崩壊することが
分かったのです。

サファ博士のシミュレーションです。

緑の線は
自然が生み出す資源の量を表します。

人類は これを利用し
富を最大化
させようとするため

資源は
減少していきます。

富の増大に伴って
人口は

資源の限界を超え 増加。

この時 急増するのは一般の人々です。

先進国に暮らすような
人々の増加は
僅かですが

富の多くは
彼らが独占します。

その後 社会は
食料などの
資源の枯渇に至り

一般の人々は
人口減少を始めます。

しかし 豊かな人々は
この危機に
気付かないまま

浪費を続けます。

その結果 豊かな人々の富も枯渇し

社会の機能が崩壊するのです。

サファ博士は
現在の世界は

シミュレーションが示す
限界点に

近づいていると
分析しています。

地球温暖化による干ばつや洪水で

食料を供給してきた穀倉地帯が
同時に不作になった。

僕たちが気付いた時には 既に遅かった。

自国の食料確保の不安に襲われた輸出国は

次々と輸出をストップした。

つながり過ぎた世界は
同時に食料危機に見舞われ

そして 日本にも食料が届かなくなった。

政府は 備蓄が半年分あるから大丈夫と
繰り返し言い続けた。

けれど 半年たっても
元には戻らなかった…。

食料出せ~!

(騒ぐ声)

食料価格は高騰し続けた。

紛争や暴動が世界で頻発した。

そして 食料生産と供給能力は
更に下がっていった…。

蓄えられた半年分の食料は
どうしたんだ!   (一同)どうしたんだ!

我々は何を食べて生きたらいいんだ!
(一同)そうだ!

我々は 死んでもいい国民なのか!
(一同)そうだ!

この国は
金持ちだけが生きればいいのか!

(一同)そうだ!

日本は もともと自給率が低かった。

僕たちは 未曽有の危機を前に無力だった。

♬~

もう やめて! どうすればいいの!?

どうしたら よかったの!?

♬~

どうすれば 持続可能な
世界を築いていけるのか。

今 食料システムを

根底から見直そうという動きが
始まっています。

食料問題に取り組む EAT財団と呼ばれる
団体が主催したフォーラムです。

世界の有力政治家や研究者
企業などが集い

食料システムを改革する必要性を
訴えています。

提唱しているのは

プラネタリーダイエットと呼ばれる
システムへの転換です。

先進国での浪費を止めると同時に
生産や流通の仕組みまで改革することで

システムの脆弱性を
解消しようというのです。

特に注目を集めているのが

さまざまな分野の科学者の知見をもとに

地球を守りながら 100億人を
健康的に養える食事を発表したことです。

これは 飽食を享受する人々に求められる
持続可能な食事の姿です。

豚や牛は 週に98gまで。

鶏は 203gまでに抑えることが
提唱されています。

肉食が中心の先進国では
牛肉や豚肉を8割以上

魚を多く食べる日本でも
7割削減するよう勧めています。

不足するタンパク質は

豆類やナッツから摂取することを
推奨しています。

肉を生産するために使われていた
大量の穀物などは 貧困層に回し

偏りを解消します。

今年 国連では
食料サミットが初めて開かれます。

生産から流通 消費まで あらゆる段階で

システムを改革する道筋を
見いだそうとしています。

改革の鍵を握る 肉の消費の大幅削減。

厳しい目標を新たな技術で乗り越える
模索が始まっています。

欧米で広がり始めた「人工肉」です。

アメリカ・カリフォルニアの会社が
開発している人工肉は

大豆やココナツオイルなどを
原材料としています。

スタンフォード大学の医学者らが
肉を分子レベルで解析し

肉汁をも再現しています。

主な原料が大豆のため
大量の穀物を必要とする牛肉よりも

水の使用量は 87%

温室効果ガスの排出量は
89%減らすことができるといいます。

日本でも 人工肉を商品化する動きが
始まっています。

全国に展開する
大手ハンバーガーチェーン。

人工肉の普及率が極めて低い日本で

消費者を引き付けるために
商品開発を続けてきました。

日本人の好みに合う焼き方や

野菜との組み合わせを考えてきました。

この日は 肉料理のプロを招いた試食会が
行われました。

今後は 人工肉の認知度を上げて

食料資源に配慮した外食の形を
提案していきたいといいます。

食料生産の現場も 変わり始めています。

2050年に向けて 人口が急増するアフリカ。

国連は 農業人口の大半を占める
小規模農家が鍵を握るとしています。

世界のカカオ生産を担ってきた
プランテーションが広がるガーナでは

持続可能な農業に挑む農家が
増え始めています。

中心となっているのは
アメリカの大学院で学んだ

コフィ・ボア博士です。

かつて ガーナでは
乾燥しやすい土地に適した農法が

普及していませんでした。

そのため 大量の化学肥料を使う

欧米式のプランテーションに依存。

土地の荒廃が進み
貧しさからも抜け出せずにいたのです。

ボア博士が提唱しているのは

アフリカの森林の環境からヒントを得た
不耕起栽培と呼ばれる農法です。

土地本来の環境を守りながら
作物を育てる方法で

地球温暖化対策への高い効果も
期待されています。

不耕起栽培では 土地を深く耕さず

下草を
なるべく生やしたままにしておきます。

このことで
土から水が蒸発しにくくなり

水や栄養分が 土の中に保全されます。

森林の仕組みと同じです。

この栽培方法で
化学肥料や農薬をほとんど使わず

30%以上の増産を達成。

草を刈る時間も減るため
農家の負担も軽減されました。

自給自足できる小規模農家が増え

農作物を市場に出すことも
可能になっています。

先進国や新興国で続く 食品ロス。

その膨大な浪費を
飢餓の解決に生かそうと

活動を始めた若者たちもいます。

大学生が立ち上げたプロジェクト
ファームリンク。

全米各地の150の大学の700人以上と
ネットワークを構築しています。

廃棄されそうな食料に関する
情報があると

現場に近いメンバーが即座に対応。

トラックなどを手配して回収し

食料が得られない人たちに
配ってきました。

この日も 捨てられる寸前だった
10トン以上のジャガイモを

全て回収しました。

団体を立ち上げた一人
オーウェン・ドゥベックさん。

パンデミックの中
食料システムの矛盾を目の当たりにし

仲間と活動を始めました。

これまでに回収できた食料は
1万1, 000トン。

これは アメリカの総人口の
1日の食事の7%に相当する量です。

将来的に
この手法を各国の若者にも広げ

世界の食料システムを
変える力になりたいとしています。

この半世紀に積み重なった
食料システムの巨大なゆがみ。

私たちは そのゆがみを

あと10年で解消していくことが
できるのか。

今の世界を まっすぐ見つめてほしい。

そして 危機を前にしても
勇気を持って一歩を踏み出してほしい。

[ 心の声 ] 知らなかった…。

私の足元にある 食の成り立ち。

[ 心の声 ]
だけど… 何もできないわけじゃない。

地球を巡る危機は まだ終わらない。

地球にあふれるプラスチックごみ

生き物の命を脅かし
その危険性が人間にも迫っている。

君たち若い世代が
世界を変えるために立ち上がっている。

[ 心の声 ] 2030年まで あと10年…。

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