★☆救う会全国協議会ニュース★☆(2019.02.04)2回目の米朝首脳会談と北朝鮮内部事情-東京連続集会報告

★☆救う会全国協議会ニュース★☆(2019.02.04)2回目の米朝首脳会談と北朝鮮内部事情-東京連続集会報告

■2回目の米朝首脳会談と北朝鮮内部事情

去る1月31日、第104回東京連続集会が開催されました。近く2回目の米
朝首脳会談が行われるとされていますが、それを拉致被害者救出にどう結びつけ
るか。北朝鮮に対する国際社会の制裁がいよいよ効いてきて、北朝鮮の内部が大
変苦しくなり、金正恩は長距離ミサイル廃棄まで譲歩してきたようです。ここで
米国が制裁を緩めては元も子もなくなります。北朝鮮内部の最新情報を西岡会長
が、米国の動きを島田副会長が報告しました。家族会の飯塚繁雄代表、本間勝さ
ん、増元照明さんが新年の抱負を語りました。以下はその概要です。

◆北朝鮮の大陸間弾道弾ミサイルはまだ完成していない

西岡 力(救う会会長、モラロジー研究所教授)

みなさん、こんばんは。「Will」という月刊誌に書いたものをお配りして
います。今北朝鮮が困り始めてきています。それで少し年末から動きが出てきた
のではないかと思われます。

年末から1月にかけて二度目の米朝首脳会談についての話し合いが進んでいる
のですが、その背景にある北朝鮮の内部事情をまず紹介したいと思います。そこ
を正しく把握していれば、米朝を通じて日朝、そして被害者を助けるという戦略
が出てくる可能性があると私は思っています。

一昨年、軍事緊張が高まりました。トランプ政権は、「すべての手段を使って
核・ミサイル開発をやめさせる」と言った。一昨年の9月23日に、米国はB1
Bという、60トンもミサイルや爆弾を積める戦略爆撃機が2機、海の休戦ライ
ンを越えて(北朝鮮の)元山沖まで行った。

その後北朝鮮は、核・ミサイル実験をほぼ止めた。10月には何もしないで、
11月末に火星10号と称する大陸間弾道弾ミサイルを日本海に落とし、「国家
核戦力は完成した」と言ったのですが、完成してないんです。

火星10号は、弾頭部分が3つに割れて落ちてきた。つまり、大気圏再突入技
術はまだ確立していない。それを実験で検証するためには、日本海に落してはだ
めなんです。角度が高すぎるので検証にならない。

アメリカの東海岸まで届く物を高い角度で日本海に落したわけですが、それで
はだめで、通常の軌道で撃って弾頭部分が正常に作動するかどうかしてみなけれ
ばならないにに、それはしないで「完成した」と言った。それはアメリカの軍事
力が怖かったからです。

◆金正恩暗殺計画があった

そしてもう一つ。最近明らかになってきたのですが、2015年から16年に
かけて、韓国の朴槿惠政権と北朝鮮の一部の勢力が組んで、金正恩を暗殺する計
画があった。

北朝鮮は2017年になって、「そんな計画があったとはけしからん。責任者
である李炳浩(イビョンホ)国家情報院長を引き渡せ」という声明を出しました
が、韓国の「月刊朝鮮」という雑誌や、朝日新聞のソウル支局や東京新聞の北京
支局の報道で、北朝鮮が言っている暗殺未遂事件、暗殺計画があったという情報
が次々に出ています。私の所にも、独自にそういう情報が届いています。

韓国の国情院が一定の関与をしていた。もしかするとアメリカのCIAも関与
していたのではないかと言われる計画で、そのことも北朝鮮が危機感を持った理
由です。

2014年、15年に、北朝鮮が核実験を続ける中で、「朴槿惠は北朝鮮が核
・ミサイル開発をやめないのならレジーム・チェンジをすると言った。そして金
正恩暗殺計画にサインした」という報道があります。

今文在寅政権になって朴槿惠大統領は留置場にいますし、李炳浩国家情報院長
も留置場にいます。その李炳浩さんに接見した弁護士によると、李炳浩前国家情
報院長は、「北朝鮮の中に反体制派がいたら我々が支援するのは当たり前じゃな
いか」と言っているそうです。

事実上、北朝鮮内部の反対派勢力と組んで金正恩除去をしようとしたことを認
めたともとれる発言です。そういうこともあって、金正恩氏は、核・ミサイルは
開発していない。開発直前までいっているので甘く見てはいけませんが、直前の
段階で「完成した」と言って対話にかじを切った。

そして6月にトランプ大統領に会って、少なくとも軍事攻撃は今しないという
保証をもらって一息ついた。ただ、金正恩氏を動かしたのは軍事攻撃の圧力だけ
ではなく、もう一つ、厳しい経済制裁がありました。

◆漂流船は制裁破りの結果

一昨年、8月、9月、12月に国連安保理の制裁があり、北朝鮮は輸出で得て
いた外貨約28億ドルの内、25億ドルを失いました。約9割が北朝鮮から買っ
てはいけない品目になったのです。北朝鮮の輸出のナンバーワンは石炭でした。
そして鉄鉱石。さらに水産物。全部買ってはいけないことになりました。

少し余談ですが、今日の新聞で、「北朝鮮は中国に漁業権を売っていた」とあ
りました。つまり水産物の輸出ができなくなったので、近海で本来北朝鮮の漁民
がとるべきイカ等を取らせてお金をもらっていた。

国連安保理はそれに気づいて、一昨年12月の制裁決議では、「水産物の輸入
禁止の中には漁業権を買うことも含まれる」と明記したのに、中国はそれを破っ
て去年漁業権を買っていたという国連の制裁パネルの報告書があったことが報道
されていました。

近海で、北朝鮮の漁船が操業できなくなって、本当は近海にしか出られないイ
カ釣舟のような小さな平底の舟が、ワイヤーで引っ張られて大和堆までいって操
業し、遭難して日本に流れ着いている。

私は今年も漂着が多かったので、北朝鮮が制裁破りをしていた証拠じゃないか
と思っていたのです。今年漂着船が少なくなれば漁業権の販売はなかったという
ことになるんですが、今年も多い。そうしたら国連のパネル報告でもそういうの
が出ています。

そういう制裁破りがありますが、石炭とか鉄鉱石は密輸できないんです。私の
知り合いが、ある北朝鮮の炭鉱に勤めている人間から直接聞いた話ですが、今掘っ
た石炭が露天に山積みになっています。北朝鮮の中で石炭の価格が下がっても誰
も買わない。中国に売れなくなったのでだぶついているんです。

90年代の半ば以降、普通の北朝鮮の庶民への配給が止まったので、自分で商
売をして食べているんですが、石炭の炭鉱の工夫たちはその後も配給で食べてい
た。ところが制裁の結果石炭が売れなくなったので、工夫たちへの配給がなくなっ
た。そして工夫たちの栄養失調が始まっている。

工夫たちの家庭というのは今まで商売をしないで食べられたので商売の仕方を
知らない。それで今まで恵まれていた工夫たちの家庭から餓死が出始めた。そう
いう直接情報を聞きました。

魚みたいなものは、かついで中国に行って密輸しているんですが、石炭はかつ
いで行っても大した額にはならない。貨車で売らなくてはならないがそれができ
ない。

中国は北朝鮮の石炭を買わなくても、他から買える。無理して瀬取りみたいな
ことをして石炭を密輸しても合わないんです。他でも買えるものですから。北朝
鮮が瀬取りで石油の密輸をするのは、彼らが買いたいからです。瀬取りするには
普通より費用もかかります。そのためには外貨も必要です。ところが外貨もなく
なってきているということです。

◆金正恩が自由に使える外貨が枯渇し始めた

最近ある西側で北朝鮮を見ている機関の人に会ったのですが、「39号室資金
が枯渇し始めている。10億ドルを切ったのではないか」という話でした。30
億ドルから40億ドルあるのではないかと言われていました。ある人によると2
00億ドルくらいという人にも会いましたが、それが枯渇し始めている。

「39号室資金」というのは金正恩が自由に使える外貨で、誕生日等に外国の
ものを買って贈り物をしたり、核開発に使ったりしていました。それが枯渇し始
めた。

その収入源はかつては朝鮮総連からの秘密送金でした。その後、金大中・盧武
鉉政権の時にも多額のお金が行きました。それは今止まっています。文在寅政権
は出したくてしょうがないようですが、アメリカが厳しく見張っているので今の
所送ることができないでいる。

外貨がなくなり、北朝鮮の主要な大使館、北京、モスクワ、タイと言っていま
したが、そういう所では大使館の運営経費が本国から半分きている。あとは自分
で稼げ、だった。

ところが去年の10月に2割しか送られなくなった。どうやって食べていくん
だろうと思いますが、最近北朝鮮の外交官や貿易関係者が投資を求めているそう
です。韓国人や外国人に。例えは元山の葛麻(カルマ)観光団地の完成予想ビデ
オや写真を見せて、「このホテルの30室の権利をあなたにやるからいくら投資
しなさい。そうしたらいくら儲かる」と。まだ完成もしていないものの権利を譲
るという詐欺みたいなことを外交官がやっている。

朝日新聞が今年1月に、葛麻観光団地の完成予想ビデオを入手して、報道しま
したが、その背景には今言ったようなことがあります。ビデオだけ見るとハワイ
のようなかっこいい観光地ですが、「このホテルの何階分はお前にやるからいく
ら出せ」と。

内装は北朝鮮ではできないんです。ドンガラは作れるんですが。中国から買っ
てこなければいけないんですが、金がないから工事が進まない。「権利をやるか
らお前が内装しろ」とか言う。そんなことにだまされる人もあまりいないわけで
す。

葛麻観光団地は金正恩が本当にやりたがっている工事のようで、彼が元山で育っ
たという情報もあるんですが、こだわっているようです。全国民から工事費の寄
付を募った。その寄付は北朝鮮の金ではなく、人民元で払えというものです。払
えない人は米かとうもろこしを出すそうです。北の金では政府も受け取らない。
内装などをするには北の金は使えないからです。

既にチャンマダンという市場で北朝鮮の通貨で買えるのは、大根とねぎと豆腐
くらいで、靴や服は買えなくなっています。中国に石炭や鉄鉱石を売って、その
金で靴や服などを買ってきて、それがチャンマダンで流通していたんですが、中
国に輸出ができなくなり、中国から物を買ってこれなくなった。それでチャンマ
ダンの商売の規模が縮小している。一番苦しいのは貧乏な人です。

90年代後半の大飢饉では、労働党の党員たちが先に死んでいった。政府を信
じて、配給を待っていて死んでいった。闇市で商売をしなかった人が死んでいっ
た。今はみんな闇市で食べている。貧富の差が激しい。弱者が困っている。

物価はそれほど上がっていないんですが、チャンマダンの規模が縮小している
のでお金がない人は物が買えない。一番弱っているのは孤児や老人の家庭で、そ
ういう所で餓死が出始めている。去年の秋からチャンマダンに乞食がものすごく
増えたそうです。

◆「自力更生、自給自足」でやれ

北朝鮮ではトランプ大統領との会談や文在寅大統領との3回の会談を大々的に
報道しています。何か変わるんじゃないかとみんな思ったわけです。これまで、
経済が苦しいのはアメリカ帝国主義が圧力をかけてきたからだと言っているのに、
アメリカ帝国主義の親玉とうちの親分がにこにこ握手しているから、アメリカの
せいとは言いにくくなっているんです。しかし経済は苦しい。

南の大統領が来て、平壌で演説して、「これから仲良くしましょう」と言った
から南の経済支援が来るのではないかと期待が高まった。しかし、何も来ない。
それで、なぜ来ないんだ、華々しい外交の結果は何なんだという疑問が庶民だけ
でなく、幹部たちの間でも高まっている。なぜ核にこだわるんだ、と言う人たち
まで出てきている。

文在寅大統領が平壌での演説で、「核のない平和で豊かな韓半島を作りましょ
う」と言った。庶民は本当に核をやめるのかと思ってしまった。そして、なぜや
めないんだ、と。文在寅大統領が言ったことを引用しても、それだけではスパイ
だとは言えないわけです。北朝鮮が呼んだ人ですから。

北朝鮮の内部で、毎週北朝鮮の人は土曜日は政治学習をする。党員は細胞で非
党員は職場の職業総同盟というところで、そして主婦たちは人民班という隣組み
たいなところで生活総和という政治集会をやる。昔赤軍派が「総括」と言ってい
ましたが、自己批判をして相互批判をしてというのがありましたが、北朝鮮では
総和と言います。そこで政治学習の講演も聞く。

その学習用の資料というのがあり、どういう政治学習をするかが党から降りて
くる。それが最近流出している。私も9月に出たもの、10月に出たもの、1月
に出たものをもらいましたが、去年9月以降に強調していたのは、「自力更生、
自給自足」です。

党は核開発と経済発展の並進路線を止めて、核開発は終わったから去年の4月
から経済発展一本に絞って力を入れる、と言った。そしてそのやり方は「自給自
足」で、「予備を見つけろ」と。

12月に東京に来た金聖●(王へんに文、キム・ソンミン)さんによると、
「自給自足なんてもう50年もやっているじゃないか。これで何も上から降りて
こなかったら、俺たちはもう一度松の皮をはいで食べる、雑草を食べるようにな
るんじゃないか」と言っているそうです。90年代にそういう時期があった。
「もう黙って死なないぞ」と言っている。

しかし政権が毎週言うのは、「自給自足だ、自力更生だ」で、「輸入に幻想を
持ってはいけない」というのは「労働新聞」の論説です。だけど市場では北朝鮮
のお金は通用せず、人民元がないと買えない。しかし、そのためには中国から買っ
てこなければならないんですが、それができない。

去年の秋は色々な情報がありますが、収穫は平年より悪かった。通常協同農場
では収穫後、軍などが持っていった残りを分けるんですが、分けたものだけでは
食べていけないので、協同農場員が夜中にこっそり田んぼや畑に行って、収穫の
前に自分で刈取りして食糧を土に埋めて食べるものを確保してきた。

今年は、全国的なことかどうかは分かりませんが、私が聞いた情報では、田ん
ぼや畑をそれぞれの軍の部隊に配分して、「この畑でとれるものはお前たちのも
のだ」と言って、軍人が夜中に見張りに立って協同農場員が夜盗みに来るのを防
いでいるそうです。だから協同農場員にも餓死が出ている。

少し前までは、軍人が盗みにくるから協同農場員が夜中に立っていたんです。
今はもう逆になった。そこで頭のいい人は、その軍人に賄賂を渡して、お前に個
人的にやるから半々に分けろと言って、収穫物を分けている。そういうことがで
きた人は生き残るだろうが、できなかった人は大変だろう、と。また餓死が出る
との噂が飛び回っているそうです。

秋の収穫の時以後は市場に食べ物が出てそれを食べるが、食べつくした後の4
月から5月の間が一番苦しい。6月にじゃが芋がとれるので5月までが苦しい。
韓国は秋まき麦がありましたから2月、3月が一番苦しかったのですが、北朝鮮
は4月、5月が苦しい。

そこで目端のきく人が食糧を買い占めるので値段があがるということにもなる
そうです。

そういう中で制裁が効いている。特に中国に石炭や鉄鉱石が売れなくなったこ
とで苦しくなった。北朝鮮の貿易相手国の9割は中国です。中国の最近の統計を
見ても、北朝鮮からの輸入が9割減っている。去年の暫定統計ではそうなってい
ます。中国は、表向きの統計上は制裁を守っている。その結果、北朝鮮人民の暮
らしが苦しくなってきた。金正恩の秘密資金も底が見え始めた。

(2につづく)

★☆救う会全国協議会ニュース★☆(2019.02.05)2回目の米朝首脳会談と北朝鮮内部事情-東京連続集会報告

■2回目の米朝首脳会談と北朝鮮内部事情

◆アメリカまで届く長距離ミサイルを中国に搬出することで制裁解除なのか

西岡 そういう中で、私が年末に聞いた情報では、以上のことを背景にして、平
壌の中枢の中で、政策をめぐって大議論が起きている。それまではアメリカに対
して6月の会談でトランプをうまくだませた。米兵の遺骨を出した。核実験場を
爆破した。その見返りをまずくれと言う。サラミのように少しずつ見返りを取る
と言っていたんですが、トランプ大統領は、「金正恩はいいやつだ」とか言いな
がらも制裁は緩めない。むしろ強めている。

その結果国内で不満が高まっているのでもう少しカードを切らなければならな
いのではないかという議論が出ている。私が聞いた段階では「検討されている」
ということでしたが、アメリカまで届く長距離ミサイルを中国に搬出する、そし
て寧辺の核開発施設を廃棄するというカードでアメリカと交渉して、終戦宣言や
経済制裁の緩和を取ろうという話が出ているとのことでした。

そうしたら事態がその方向に動いている。中国に搬出するということがあるの
で、金正恩は近く中国に行くだろうと、その情報源の人が言っていましたが、そ
うしたら1月7日から10日まで訪中がありました。

そこで、配布資料にありますが、「朝鮮中央通信」によると、「習近平が北朝
鮮の主張に全面的に同意した。中国は今後も朝鮮半島の安定のために積極的で建
設的な役割を果たしていく」、非核化協議のプロセスについて「中朝が共同で研
究・調整していく」と報道された。

そういう表に出た言葉と、大陸間弾道弾を中国に搬出するということが、同じ
ことを言っている可能性があるのではないかと思っています。

ただ、ポンペオ米国務長官が、「完全で最終的な非核化に到達しなければなら
ない」、「米国民に対する(北朝鮮の)リスクを減らし続けるアイデアを巡り、
我々は前進している」と言った。「前進している」と言っています。「米国民の
安全」と「長距離ミサイルの搬出」はイコールです。

そしてトランプ大統領が金正恩に親書を送った。そして金正恩の親書を持って
金英哲(キム・ヨンチョル)副委員長が来た。そして二度目の会談を今調整して
いる。

つまり、制裁が効いてきた結果、制裁を緩めるために北朝鮮はサラミを一枚出
した。米兵の遺骨と実験場の爆破では取れないと分かって、アメリカに届く長距
離ミサイルと寧辺の破棄で何か取ろうとしている。

トランプ政権が効いているカードを使ってしまったら、これまでの努力が水の
泡になりかねない。まさにブッシュ政権の後期に、寧辺の核施設の煙突を爆破す
るショーを見て、ヒル国務次官補、ライス国務長官のラインは一番効いていた金
融制裁を解除してしまった。しかしその後核実験が続いて、核も北朝鮮は止めな
かった。そういうことになってしまうかどうか。制裁が解除されるかどうか。

◆開城工団と金剛山観光を例外的に制裁の対象から外すことになるのか

色々な報道が飛び交っていますが、「読売新聞」はアメリカが出すカードとし
て、開城工団と金剛山観光を例外的に制裁の対象から外すことが議論されている
と書きました。

これは金正恩が、1月の新年辞で、開城工団と金剛山観光については障害が全
くなくなったと言った。何を言っているのか。核開発をしたから制裁をかけられ
たのに、「障害がなくなった」等という話ではないと思ったのですが、文在寅大
統領が1月10日の記者会見で、「韓国側の障害はなくなった。あと国際的な問
題だけだ」と言った。

しかし、開城工団を中止したのは、天安艦という韓国の駆逐艦が魚雷で沈没さ
せられて、兵士が死んだからです。それなのに北朝鮮はそれを未だに認めていな
い。金正恩が「障害がなくなった」と言ったら、文在寅さんも「障害がなくなっ
た」と言った。

金剛山観光を止めたのは、観光していた韓国人の女性が撃ち殺された。それで
危険だと言って止めたのです。それについて北朝鮮から遺憾の意があったか、再
発防止策が出たか。ないんです。何もないのに、韓国が独自にかけている制裁と
してはもう終わったと言っている。但し、国際制裁があるから国際制裁を止めさ
せなければならない、と言っています。

文在寅政権はあまりにも前のめりですが、そういう文政権に、北朝鮮が外貨を
得るルートを与えてしまうと、枯渇していた資金がもう一回充当されてしまう。
「共同通信」の報道によると、アメリカはそこまでは譲歩を考えておらず、人道
支援の再開、終戦宣言等だとのことです。

そこは心配なところですが、とにかく制裁が効いてきた結果、北朝鮮が一部譲
歩し始めた。しかしこの譲歩では日本の安全ははかれませんし、何より拉致問題
が解決しない。この状況で総理が金正恩と会って、拉致と核・ミサイルを解決し
たとして、国交正常化して不幸な過去の清算に至る段階まではまだ来ていない。

そこまで彼らが来る前に制裁が緩んでしまうと、日本の立場は大変弱くなると
思っているのですが、ワシントンでは今どんな議論がされているのか。トランプ
大統領は「金正恩とまた会うことが楽しみだ」と言っていますが、どんなプレゼ
ントを金正恩に渡すつもりなのかについて島田さんからお願いします。

◆米国がICBMの廃棄に対し制裁を解除する可能性も

島田洋一(救う会副会長、福井県立大学教授)

米朝の動きの大枠については、私が3日前の産経新聞に書いたコラムが配布さ
れていますので見てください。スペースの関係で書けなかった重要ポイントをお
話したいと思います。

西岡さんが最近取沙汰されているシナリオを紹介されましたが、韓国の文正仁
(ムン・ジョンイン)大統領特別補佐官がエジプトのカイロで、最近それと同じ
ようなことを言っています。

文正仁というのは北のエージェントのような男ですが、北とも相談の上で観測
気球を上げたのではないかと思われます。まず寧辺の核施設とICBM(大陸間
弾道ミサイル)を北朝鮮が廃棄する。それに対しアメリカが経済制裁を解除する、
と。韓国は明らかにこの方式で進めようとしている。

アメリカの方は核施設の全リストを出せという要求をこれまでしてきたんです
が、北朝鮮側が、「それはイコールアメリカ側の爆撃のターゲットリストになる
じゃないか。だから平和な状況が訪れるまでは出せない」と言う。

とにかくアメリカは本土を安全にする、ICBMの廃棄から進めるということ
になっているようです。このシナリオは中国もロシアも公然と支持してきたもの
ですし、またアメリカの国内でもロバート・ゲイツ元国防長官がそうです。彼は
ブッシュ、オバマ政権で国防長官をやっており、共和党、民主党に人脈がある穏
健な大御所ですが、ゲイツなどは同じような案を出しています。

そして露骨に、20発ほどの中距離核・ミサイルは残してもいいのではないか
とか勝手なことを言っていますが、アメリカはICBMの廃棄に集中すべきだと
いう意見です。

そして国務省のOB等も経済制裁緩和のカードを出しながら進めるべきだとい
う、クリストファー・ヒル的な発想を公然と出しています。国務省は体質的にそ
んなものでしょう。

経済制裁緩和にずっと反対してきた中心人物がジョン・ボルトン安全保障担当
大統領補佐官ですが、彼は今ベネズエラの情勢が極めて混乱していて、そこにか
なり時間をとられています。さらにイランからの米軍撤退問題があり、ベネズエ
ラと中東に時間をとられています。

彼も米朝首脳会談が近づいてきたら北朝鮮に関心を向けるでしょうが、今は留
守になっている感があります。

交渉担当をしているスティーブン・ビーガン氏は元々、東ヨーロッパが専門で、
北朝鮮にだまされたという直接の経験がないので、ちょっと不安な面もあります。
彼はジェシー・ヘルムズという上院のものすごい外交委員長のスタッフだったと
ころから経歴を始めた人で、国務省とは対立する立場で、保守的な人物であるこ
とはまちがいないんですが、どうしても交渉担当になると、決別させたくないと
いう心理が働きます。ビーガン自身は北朝鮮に関して文章を書いたこともないで
すし、就任以降公に発言したこともないので、はっきり言ってどの程度頼りにな
るのか分かりません。

ということで、日本から経済制裁緩和カードは切るなということを連続的に言っ
ていかないと、現在四面楚歌の状態というか、みんなが危ういシナリオに流れる
方向にあると思います。頼りになるボルトンは他の問題に時間をとられています。

◆制裁解除になると拉致問題の解決が遠のく

文正仁が出した案の欠陥については西岡さんも触れましたが、経済制裁緩和で
拉致問題解決が遠のいてしまう。また日本を射程におさめた中距離核・ミサイル
が残る。寧辺以外にも核開発施設はたくさんありますが、それらがほったらかし
になる。

欠陥はいっぱいありますが、アメリカから見ればアメリカに届くICBMが廃
棄できるというのは大きいですから、アメリカの政治家なら当然取引きを考える
でしょう。トランプに限らず。民主、共和、どっちの大統領であってもこの案を
進めろということになるでしょう。

ただ、見返りに制裁緩和を出すならば困るわけで、そこはしっかり釘を刺し続
けないといけない。といって何も見返りを出すなというわけにもいかない。そこ
で朝鮮戦争の終戦宣言とか、在韓米軍の削減、撤退というカードが出てくる。

終戦宣言に関しては、北朝鮮はそれ自体というより、それをきっかけに国連制
裁の解除につなげたいという思惑があるわけです。逆に言えば、制裁解除にさえ
つながらなければ、終戦宣言自体はどうでもいいということになります。

アメリカの場合、終戦宣言なんか出しても、国家安全保障上重大事態となれば、
翌日にでも抗議するでしょうし、制裁につながらなければ心配ないと言えます。

在韓米軍に関しては、地上軍の撤退に関する限り、これは北朝鮮から見ても人
質になっていますから、アメリカが先制攻撃をした時に真っ先に報復を受ける。
だから地上軍がたくさんいるというのは先制攻撃がしにくいという意味で、抑止
力低下につながる面がある。

今在韓米軍は28,500人います。その内陸軍が18,500人。空軍が8,
000人、海兵隊が2,000人という構成です。アメリカの軍関係者の議論を
聞いていると、韓国にあるアメリカの兵力、施設の内、いわゆるサードミサイル
(終末高高度防衛ミサイル)、これは迎撃ミサイルですが、これは中国もカバー
しているので維持できた方がいい。

空軍基地は皆西海岸にあり、これも中国をにらんでいるので維持できた方がい
い。釜山の海軍基地も根拠地として意味があるので維持できた方がいい。ただ、
陸上兵力18,500人については、米朝協議の中で非核化のカードとして使え
るのであれば引いてもかまわない。そういう方向に動いているように思えます。

もし兵力を減らす場合は韓国、日本とも相談すると法律上なっていますが、あ
くまで相談であって、拒否権を認めたものではありません。トランプ氏自身は以
前から、「なぜ韓国に地上軍を置いておかなければいけないんだ。韓国が北朝鮮
と戦っても勝てるだろう。だから駐留費全額を韓国が持つのでない限り、引け」
と色々な機会に言っています。

日本としては、在韓米軍撤退に関しては、変に注文をつけるより、アメリカの
自由にしてください、でいい。韓国を守ることについて日本が考える必要もない
わけだし。アメリカについても、韓国を守るためにアメリカの若者が血を流す発
送は全くない。いわんや北朝鮮に攻め上る発想もない。

◆制裁緩和はすべきでないとアメリカに日本がどれだけ言えるか

西岡 経済制裁の緩和にアメリカが踏み込むかどうかについてはどうですか。

島田 これはさっきの情報評価にも関わりますが、アメリカの情報部の平均的な
見解は、あと数回北朝鮮がICBMの実験をしないと再突入技術や地上数百メー
トルでうまく爆発させる技術は持てないだろう。従って現段階では実戦配備はで
きていないというのが多数意見ですが、少数意見もあってロシアあたりから再突
入技術や爆発技術をもらっているので、実験をしないで既に実戦配備している可
能性があると言っています。

そこでトランプ大統領としては多数意見の方をとっていると思われます。例え
ばイランに関しては多数意見はイランは核開発をストップさせているというもの
で、少数意見として、イスラエルの情報を元にして秘密の核開発を進めていると
いうものです。ボルトン氏はイラン問題に関しては少数意見の方をとっています。
その辺は政治の判断になるわけです。

そして経済制裁の緩和ですが、米朝首脳会談の数週間くらい前にはボルトン氏
も作戦会議に関わってくるでしょうから、まさに日本がどれだけしっかりボルト
ン氏等と連携して釘を刺せるかにかかってくるわけです。日本がしっかり釘を刺
せれば制裁緩和のカードを切らせずに済む可能性が十分にあると思います。

ボルトン氏は、先ほどの情報評価に関しても、北朝鮮に関しては少数意見をとっ
ていますので、このまま放っておくとアメリカを射程に入れたICBMが増えて
いくので、締め付けを一切緩めてはいけないと考えるわけです。彼がどれくらい
力を持っているか、日本がどれだけしっかり発信するかにもよってくるというこ
とだと思います。

◆北朝鮮は今も核開発を続けている

西岡 今、情報の評価という話がありましたが、核・ミサイルがどこまでできて
いるかという評価とともに、経済制裁が本当に効いているかどうかの評価、この
2つの情報評価のもとに政策がたてられると思います。また資金の枯渇について
は、もちろん発表されるものではありませんので情報ということになると思いま
す。

核問題についてですが、私はソウルで米軍に近い筋と会った時に、アメリカの
安全という観点からも優先順位があると言っていて、その人は「未来の核」が先
だ。「現在の核」は二番目だと。もちろん一括と言っているのであまり大きな声
では言えないが、と言っていました。

今も北朝鮮は核・ミサイルを作っている。いくつかの核弾頭やミサイルを搬出
させても、作っている方が止まらなければ何もならない。だから作っている施設
のリストを出せと言っている。

北朝鮮は寧辺の核施設は廃棄してもいいと言っている。それが事実だという前
提で話しますが、寧辺には何があるのか。黒鉛減速炉があり、それでプルトニウ
ムを作っている。それが今また動いているのではないかという情報があります。

それと濃縮ウランの工場がある。それを西側に北朝鮮は見せている。その2つ
を廃棄してもいいと言っているというのですが、今こちら側が一番警戒している
のは、プルトニウムではなく濃縮ウラニウムなんです。濃縮ウラニウムは原子炉
なしで作れる。濃縮技術はパキスタンから北朝鮮に入っていますので、持ってい
る。

そしてこちらにとっては大変不利なことですが、北朝鮮はウランをほぼ無尽蔵
に持っている。豊富な埋蔵量があるウラン鉱山があります。今もそのウラン鉱山
が動いているので核開発は続いているという証拠になっているわけです。

ですから濃縮ウラニウムをどこで作っているのか。寧辺の施設はヘッカー博士
が見たんですが、あれはダミーではないかと言われていて、本物は別の所にある
という情報があり、これは去年アメリカの一部のメディアを通じて情報のリーク
があって、配布資料にも書いていますが、平壌近郊の平安南道千里馬郡降仙(カ
ンソン)製鋼所の敷地内にウラン濃縮工場があるということです。

これはかなりの情報で、西側の情報機関は韓国もアメリカもそうですが、濃縮
ウラニウムは地下で作っていると思っていた。原子炉ではないので、電気さえあ
れば地下で作れるんです。いくつかの候補もあって、トンネルがあり、そこに人
も入れて土や水を持ってくる作戦までやっていたんです。実際その地域にいくと、
「ここでやっている」との噂が流れている。それがダミーなんです。

実は地上でやっていた。それも大きな製鋼所の敷地の横に建物が増設されてい
て、写真で見ると製鋼所が増設されたと見えるんです。木を隠すのに森の中に隠
すみたいなことだったのですが、これがそうだと言えるというには衛星情報だけ
ではなくて、人的情報が必要なんです。

このことを私に教えてくれた人は、このことはリークしたけれどもまだ持って
いる情報がある。私たちは知っています。ここだけじゃない、と。

トランプ大統領が、「もはや核に関する脅威がなくなった」と言った時に、色
々な情報機関がリークしたものの一つがこれなんですが、核開発は多分増産が続
いていて、ミサイル工場があって設計図があれば作れるわけですから、アメリカ
が「安全が確保された」と簡単に言えるのかという問題が、もう一つあると思い
ます。

そして昨日、アメリカの情報長官も、「北朝鮮は今も核開発を続けている」と
議会で答弁しました。まず第一段階として、濃縮ウラニウム工場について申告さ
せる。それが我々が持っている情報と違っていたら嘘をついたなと追及する準備
をしているんですと、その人は言っていました。アメリカの安全という観点から
しても、ミサイルの搬出だけでよしとしないというのがプロの見方ではないかと
思います。

(3につづく)

★☆救う会全国協議会ニュース★☆(2019.02.06-1)2回目の米朝首脳会談と北朝鮮内部事情-東京連続集会報告

■2回目の米朝首脳会談と北朝鮮内部事情

◆制裁は少しでも緩和すると、静かななだれのように緩和に向かってしまう

島田 今、「現在の核」より「未来の核」が優先という話でした。その人がどう
いう人か知りませんが、よく国務省の宥和派が使ってきた言葉です。例えばクリ
ントン政権の時に例の「枠組み合意」というのをやりましたが、あの時も北朝鮮
が持っている「現在の核」よりも、とにかくこれ以上作らせないことがまず第一
だとしていました。

そしてクリントン政権は既に北が持っているであろう核を「ブッシュの核」と
呼び、これはブッシュの親父の方ですが、要するに自分の政権の前に作られてし
まったものということで、クリントン政権の時には止めましたと。これがまず業
績になるという発想です。

その関連で言うと、現在持っている北朝鮮の核をまず出せというのが一番大事
なはずなんですが、そこは置いておいて、増産を止めるというのはいはば国務省
的な発想ということになります。これでは危ないことになると思いますが、北朝
鮮問題を考える際に、対イラン政策との兼ね合いが大事で、これはボルトンさん
が以前から強調していることです。

だからボルトン氏が制裁解除に反対している大きな理由は、イランに対して経
済制裁をもっと強める。イランや北朝鮮の核開発が進んでいるわけですが、北に
対して緩和したりすると、イランに対する制裁も、論理的には弱くなるので、北
への制裁を弱めてはいけない、と。

そして一旦緩めると、イランに対しても相当な制裁があったのに、オバマの時
にいい加減な合意をして安保理制裁がとれてしまった。イランが違反しているこ
とが分かったら、直ちに制裁を元に戻すと言っていましたが、一旦解除すると中
国、ロシアが絶対に制裁には反対します。そして本当にイランが違反しているの
かどうかまず調査委員会を立ち上げるべきだ、と。それで時間を稼がれる。ごま
かされるということになります。

一部でも制裁を緩和すると、雰囲気的にアメリカは緩める方向に行ったのだな
と、じゃあごまかしても厳しく追及されないのではないかとなります。現在でも
韓国、中国、ロシアが制裁を守っていないわけですから、アメリカがちょっと緩
め始めると、静かななだれのように制裁解除が進んでしまう。警戒しなければな
らないことだと思います。

◆北朝鮮は今も核物質の生産を続けている

西岡 配布資料の中で、昨年12月のアメリカ国務省の戦略報告書を引用したの
ですが、「短期的には北朝鮮の核開発、核・弾道ミサイルの実験、核物質の生産
を凍結することに焦点を合わせなければならない」と、「凍結」と書いてありま
す。止めるということを国務省が目的としているという点では今島田さんが言っ
たような懸念があるかもしれない。

私が聞いた米軍関係者の話では、先にそれを破壊すると、破壊して濃縮ウラニ
ウムを止めさせなければならないということだったのですが、核物質の生産は今
も続いているわけです。これは間違いない。アメリカの情報機関がそういう分析
をしています。

ウラン鉱山で大規模にウランを掘り出す作業が続いていることが衛星で確認さ
れていますし、濃縮ウラン工場の場所も特定されています。次々と核弾頭の数が
増えていくということは、輸出にもつながることですし、トランプ大統領と会っ
た後もそれをやっていることが分かってきているので、トランプ大統領が金正恩
と会うということはパフォーマンスの領域かもしれませんが、制裁を緩めたら北
朝鮮が一息ついてしまうということについては、アメリカの情報機関も分かって
いるのではないかと思います。ボルトン氏も分かっていると思います。

日本としても、マクシマム・プレッシャー(最高度の制裁)という言い方をし
て、総理が提唱してトランプ大統領も同調してここまでやってきたんですね。3
9号室資金を枯渇させるということが彼らの弱点だと、これは我々がずっと言っ
てきたことです。北朝鮮の弱点は統治資金の枯渇だと。

◆アメリカがもし制裁を緩めたら拉致解決が遠のく

リビアのカダフィのように、石油という絶対に売れるものを持っていれば、密
輸ができて外貨不足にはならないのですが、北朝鮮の石炭は中国にとって絶対に
買わなければならないものではないから買わないわけです。アメリカからセカン
ダリー・サンクション(二次的制裁)をされるようなことで買う必要はない。

どんどん外貨が減っているのも間違いない。朝鮮総連からの送金は止まりまし
たし、韓国からの送金も今はできないようになっている。ここまで追い込んで、
この力を拉致被害者救出に使わなければ、ブッシュ政権のヒルさんたちがテロ支
援国家の指定を解除してしまったような、せっかく追い込んだのにということに
なりかねない。

そういう点でも強い危機感を持っているんですが、総理は国会の所信表明演説
でも、「自分が金正恩と会って話をする」と強調しています。「不幸な過去の清
算をする」と言って、北朝鮮に対して話をしようというメッセージを送り続けて
いる。

但し、北朝鮮が日本の経済支援に魅力を感じるとしても、今の段階で経済制裁
が緩んだら、拉致解決には来なくなる。一息ついてしまう。だから日本が経済協
力するということを材料として話し合いができる条件は、核・ミサイル問題の解
決です。大陸間弾道弾だけの解決で取引に入ることは難しいし、北朝鮮も日本に
はまだ来ない。

日本にとって一番苦しくなるのは、アメリカが制裁を緩めてしまって、国連制
裁も一部緩んだ段階で金正恩が会おうと言ってきた時です。核・ミサイル問題が
日本の安全保障にとって100%とは言えない。そこは反対しなければいけない
のに、日朝首脳会談のシナリオがそこで出てくることになると、股裂きのように
な状況になりかねない。

それに真の意味で北朝鮮の非核化はできていないわけですから、北朝鮮の非核
化を実現させて、拉致被害者を返さないと制裁は緩めないという枠組みを維持し
なければならないというのが今の局面だと思っています。

米朝首脳会談が具体的に決まるようなことになったら、トランプ大統領の性格
から言うと、すべて下が詰めてから行くのではなくて、「いくつかの選択肢を準
備しろ。俺が北朝鮮と取引するんだ」という形になると思うので、安倍総理に是
非ワシントンに一泊二日でも行ってもらって、すり合わせをしてほしい。そして、
今まで通り、強い圧力を背景にして核とミサイルを止めさせ、被害者を取り戻す
という枠組みを崩すようなことはするな、と。

6月の時(米朝首脳会談)にその枠組みが崩れたかどうかで色々な議論があっ
たのですが、6月の時は崩れなかったのです。口では、「いいやつだ」といいま
したが、制裁は緩んでいない。だから北朝鮮は困ってきたんです。

北朝鮮は6月の時、内部では「勝利した」と言っていました。「トランプをだ
ませた」と言っていたんです。トランプ大統領のツイッターだけ見ていると、だ
ませたような気になるかもそれませんが、政策は緩んでいない。

「トランプ大統領を見る時にツイッターだけ見てはだめで、政策や人事を見な
ければならない」というのが島田さんの持論ですが、トランプさんが今回金正恩
と会って何を取ろうとするのか。今あるICBMだけでいいのか。作らないこと
を保証させるのはそう簡単ではないと思います。その辺はどういうことを考えて
いると思いますか。

◆米国の安保担当補佐官と強い連携を

島田 トランプ氏自身は現段階では何も考えていないと思います。大統領という
のはそうでないとやっていけない面がある。世界中のことを相手にしなければな
らないし、内政問題もあるし、今この瞬間で言うと2月5日に一般教書演説があ
りますから、それの準備とリハーサルに相当時間をかけているでしょうし、また
今ベネズエラが急場ですのでそちらにもかなり時間をとられているでしょう。

米朝会談の2週間くらい前になってブリーフィングをさせ、方針を決めていく
ということになると思います。ボルトンがなぜキーパースンになるかというと、
彼が安全保障補佐官として常にホワイトハウスに詰めている、そういう位置にあ
る。

大量破壊兵器の問題にしては、ボルトンが専門家中の専門家ということになっ
ているんです。彼は国務次官の時に大量破壊兵器の担当でしたし、その後の国連
大使の時もまさに北朝鮮の核問題、イランの核開発に関わってきた。地上戦、通
常戦では彼は元々軍事でもなく弁護士ですから専門家ではないんですが、大量破
壊兵器の問題については軍のどの人間よりも詳しいという評価があります。

それで彼の発言力も増大していますし、ポンペオという人は若い頃ちょっと陸
軍にいましたが、その後民間で弁護士をしたり、それから商社に勤めたりして、
その後下院議員になって、CIA長官を経て国務省長官になっています。彼は大
量破壊兵器の問題を扱った経験もないし、ボルトンと比べると発言力が全然違う。

現在国防長官は不在ですが、マティスの後シャナハンという人が国防長官代行
をしています。彼は元々ボーイングの筆頭副社長で、ペンタゴンにいる人たちを
相手にしており、日本で言えば防衛施設庁長官のような人です。なので戦略問題
や大量破壊兵器の問題は全然詳しくない。そういうこともあり、この問題ではボ
ルトン氏の発言力が強いので、日本としてはしっかりボルトンと連携していくこ
とです。

議会も大事ですが、議会はピンポイントでマルコ・ルビオという共和党の議員
が重要です。彼は外交委員会に留任しましたが、ベネズエラの問題でも中国に対
する圧力強化やファーウェイの問題でも、このルビオが議会を主導して進めてき
ています。連日のように彼はテレビのインタビューにも出ますし、しゃべるのも
うまい人です。だからボルトンやルビオ、この人たちをしっかりつかまえる外交
力が日本にあるのか。

残念ながらルビオと接触した議員が一人もいないと聞いていますが、本来なら
官房副長官あたりが、総理の外遊には必ず付いていくわけですから、またそのク
ラスの人なら上院議員が会うでしょうから。しかし、そのパイプづくりができて
いないのは極めて問題だと思いますが、せめてボルトンだけでもしっかりつかむ
というのが絶対に必要ですね。

(4につづく)

★☆救う会全国協議会ニュース★☆(2019.02.06-2)2回目の米朝首脳会談と北朝鮮内部事情-東京連続集会報告

■2回目の米朝首脳会談と北朝鮮内部事情

◆北朝鮮が慌てて動く時は、軍事圧力が高まり、39号室資金が枯渇した時

西岡 客観的に言って、北朝鮮は外貨がなくて苦しい。アメリカは今、北朝鮮が
核・ミサイルを撃ってくるという状況にはなく、アメリカは抑止力を持っていま
す。そして金正恩から「核を止める」という言質をとったのですから、その約束
を一歩、一歩、実現させるために圧力をかけているところですから、圧力の手段
をここで使い果たす合理的な理由がない。

ただ、ヒルさんみたいに、自分が担当者の時に業績を作り上げたいというよう
な人がいれば別ですが、ヒル氏がやっていたことを激しく非難したのがボルトン
氏です。

トランプ大統領という大きな変数があり、どういうことを考えているのか分か
りにくい所もありますが、しかしトランプ大統領のやり方はディールですから、
損になることをやるとは考えにくい。どちらが1対1で強いかということを考え
ると、経済制裁が効いているのならそれを高く売るべきで、経済制裁を大陸間弾
道弾だけで解いて、外貨不足を解消させてやるというのは、あまりにも割の合わ
ない取引きです。そういうことを説明できるかどうか。

やはり北朝鮮の内部が今どうなっているかということをアメリカがどのくらい
掴んでいるのか。一番掴んでいるのは韓国の情報機関ですが、韓国の情報機関か
らの情報は今、政権がこういう状態ですから逆の情報が出る危険性があるので、
正しい情報が是非アメリカに伝わってほしいと思います。

北朝鮮が慌てて動く時は、軍事圧力が高まり、39号室資金が枯渇した時なん
です。それは間違いない。金日成がカーターを呼んで、寧辺の原子炉を一度止め
たのが1994年にありましたが、あの時金日成を動かしたのは、クリントン政
権が爆撃の準備をしたということと、もう一つは日本政府がアメリカの圧力で朝
鮮総連の送金を止めようと本気になった時でした。それが北朝鮮に伝わった。外
貨がなくなるということが伝わった。

もう1回彼らが慌てたのが、バンコ・デルタ・アジアというマカオの銀行が取
付騒ぎを起こした時です。アメリカが金融制裁をかけたのですが、マカオの銀行
にあったお金は大したことはないのですが、実はあの銀行が39号室資金の出入
り口だった。

94年の第一次核危機の時、日本の内閣調査室が日本から北朝鮮への朝鮮総連
の送金額を調べたんですが、年間1800億円から2000億円行っているとい
う報告書が出た。私たち現代コリア研究所は600億円と見積もったのですが、
その3倍行っているという内閣調査室の報告があった。

その話を実は内閣調査室の人からオフレコで聞いたんですが、もう時効ですか
ら話すのですが、朝鮮総連の信用組合しかお金を持っていませんから、送金でき
ないんですね。それで足利銀行など総連系の銀行から香港の銀行に送金した。そ
こで一度おろしてお金をかばんに入れて船に乗ってマカオに行った。マカオの銀
行からスイスの銀行に送っているんだということを調べたということでした。

その時は「マカオの銀行」とだけ聞いていたのですが、アメリカがプロジェク
ト・チームを作って、やはり弱点は北朝鮮のお金だとそのマカオの銀行に目を付
けて、39号室資金の出入り口に使っている、そこを締めてしまえばお金を使え
なくなるということでみせしめとしてやった。

スイスの銀行は、昔は犯罪資金でも全部守ると言いましたが、今は守らない。
フィリピンのマルコス氏がかなり不正をやっていて、奥さんに靴を買ったりして
いたんですが、お金がスイスの銀行にあるということで、フィリピン政府はそれ
を寄こせと言ったら、出しますということになった。

スイスの銀行もアメリカの制裁には弱くなっている。絶対守るということでは
ない。だから北朝鮮は、スイスの銀行から色々なところに拡散して、中国の銀行
等に預金しているという情報があるのですが、その銀行だとばれたらその銀行に
制裁がかかる。

北朝鮮の資金は外貨ですからその外貨を海外に色々な名前で隠匿しているんで
すが、預かっている銀行に制裁がかかるということを示したので、効いたんです。
盧武鉉大統領がアメリカまで行って、制裁を緩めろとブッシュに言ったんですが、
それくらい効いていた。盧武鉉まで使って説得しようとしていたんです。それを
あの時ライスとヒルは無駄遣いしてしまって、核も拉致も動かなかった。

今北朝鮮が軍事的圧力で話し合いの場に出てきて、口では「核を止める」と言っ
たが実際は行動はしていない。この間も核は増えているという状況の中で、経済
制裁が効いてきた。

◆米朝の後に日朝をやり金を取る目論見

そして米朝首脳会談の中に、拉致も組み込まれた。北朝鮮の内部情報では、米
朝の後に日朝をやる、日本からお金を取ると言っているそうです。去年の秋に私
が聞いた話では、労働党の地方のある幹部が、知り合いの逃げた人に、「日本が
100億ドル出すというのは本当か。それは現金で来るのか。お前は日本に知り
合いはいないのか。調べてくれ」と聞いてきたそうです。

100億ドルという説が今、広まっているんです。これはロンドンの北朝鮮大
使館から亡命した太永浩(テ・ヨンホ)さんという人が2002年に、小泉訪朝
の時に100億ドルの約束を受けたと姜錫柱次官から直接聞いたと言っているん
ですが、そういう話が北朝鮮の中で広まった。

その時の話はODAであって現金ではないんですが、でも対日パートでない人
も今その話をしている。そこでも問題なのは、100億ドルはODAで貰って、
韓国のいわゆる徴用工の裁判があったから、過去の清算であと100億ドル貰お
う。それで200億ドルになるじゃないかという話になっているそうです。韓国
でやっていることが北朝鮮にも影響を与えている。

そういうことはあるようですが、国連の推計だと北朝鮮のGNPは200億ド
ルで、韓国銀行の推計だと400億ドルだそうです。その中で100億ドルが支
援としてくるというのは、もちろん韓国からもとれるでしょうが、これは大きい。

特にODAで鉄道とか港湾とかを作ることができれば大きい。期待もあるわけ
です。北朝鮮の内部では2002年を研究したそうです。あの時は、彼らの総括
では、アメリカの反対でつぶれた、と。日本は自力で外交ができない。

あの人たちは世論というのを知らないから、それほど重視していないんですが、
だから今回はアメリカを先にやる、と。アメリカが日本にお金を出してもいいと
言ったら出る。あるいはアメリカに日本のお金を使わせる。トランプが、「安倍
君出せ」と言ったら、出す、と。

94年の第一次核危機の時は、村山政権が、クリントン政権がジュネーブ合意
をまとめながら10億ドル出すと約束して、実際5億ドル出したんですね。拉致
が何も動いていないのに。アメリカが決めたら日本が出した。北朝鮮から見ると、
日本はそういう存在に見えていて先に米朝をやっているわけですが、日本に来よ
うとしているのは間違いないのですが、そのためには米朝がもう一歩進まなけれ
ばならない。

今の段階で制裁を緩めるということがあったら、一息ついてしまって北朝鮮は
余裕をもってアメリカとの交渉をしますので、追い込まれない。トランプ大統領
は、「今までの大統領は全部失敗してきた。俺は違うんだ」と言っているわけで
すが、今ライス、ヒルのやった失敗をするかどうかという局面になっているので
はないかと思います。

その時激しく批判していたのがボルトンさんで、当時は民間人でしたが、その
人が今中にいる。そして同じように、安倍総理が総理だったらそこまでいかなかっ
たはずだと思うんですが、福田政権で歯止めがかからなくて「テロ支援国家」を
解除されちゃったわけですが、今安倍政権です。トランプ、安倍の関係もいい。

これまで我々がやってきたことが活かせるかどうか。国際活動や対米活動をやっ
てきましたが、まさにこの時のためにやってきたと言ってもいいくらいの状況に
なっていると思います。

ここで焦らなければ、向こうが困ってきたわけですから、まさに飯塚代表が9
月の国民大集会でおっしゃった、「焦ったら負けだ」と。困っている時に焦って、
向こうに何か与えたら向こうはそれだけを取って何も譲歩しないということを、
何回も何回も我々は経験してきたので、家族のことを考えると、健康状態や年齢
のことを考えると焦りたいのですが、公開の席で、「焦ってはだめだ」とお話を
されたのを私は後ろで聞いていて、本当によく分かっていらっしゃるなと思った
のです。

トランプ大統領に正しい情報を知ってほしい。北朝鮮は困っている。北朝鮮は
年間30億ドルくらい外貨がないとやっていけない。今までそれでやってきたの
ですから。それが10億ドルくらいになっている。穴が開いたら、外貨が充当さ
れてしまう。せっかくここまでやってきたことを無駄にしないでほしい。そう強
く思って息を呑むような思いで米朝の状況を見ています。

◆内部矛盾が高まる北朝鮮

そして今朝の産経新聞に書いたのですが、これも内部矛盾の表れだと思います
が、私はある情報源から、「去年も別の金正恩暗殺未遂事件があった」という情
報を聞きました。これは明日発売の「月刊正論」に詳しく書いているのですが、
8月に元山の葛麻(カルマ)観光団地に直接指導に行く予定があった。

そこに冷凍車で機関銃を持ち込んでいた。やったのは護衛司令部の幹部。なぜ
か分かりませんが失敗して、その場では捕まえないで、金与正が責任者になって
徹底的に調査して、11月に70人から90人くらいを逮捕した。3日後に3人
公開処刑した。その内一人は護衛司令部の政治委員でナンバー2です。司令官の
次の人です。護衛司令部の中で、党活動、政治活動を統括している人です。その
人が処刑されたという情報です。

まだ1つの情報ですので断定できるところまではいかないのですが、護衛司令
部に10月から組織指導部の検閲が入ったことは間違いない。これは複数の情報
があります。そして複数の幹部が公開処刑されたというのも間違いない。

ただ、表に出ているのは不正腐敗ということで公開処刑されたということです。
私が聞いているのでは、暗殺事件を隠すために不正腐敗だと言っているというこ
とです。暗殺事件についてもう一つ情報があれば確定的になると思います。

しかしこれが事実だとすると、金正恩を警護する部隊のナンバー2が暗殺計画
に加担していた、ということです。これは国家非常事態です。そういうことと内
部矛盾の高まりは何らかの関係があるかもしれない。金与正を中心に徹底的に調
べたけれども、今回のことは外との関係は見つからなかった。韓国は今やるよう
な状態ではないですから。

とすると本当に内部の事件だということですが、今朝のコラムでは、「12月
20日に韓国の軍艦と海洋艦が2隻も行って救出した4人の北朝鮮住民は本当に
北朝鮮の漁民だったのか、重大な秘密を持って逃げてこようとした脱北者だった
のではないか。

この情報と合わせると一つの可能性が出てくるのではないか」と書きました。
これは推測に推測を重ねたものなので何とも言えないのですが、暗殺未遂情報に
ついては、2015年、16年にあったということで、そういうことが十分起こ
り得る素地がある。情報も具体的なので緊張しています。

それだけ向こうは内部矛盾が高まっている。国内向けには自給自足しろとしか
言えないんです。自給自足しろと言われても、自給自足できないのです。今まで
何とかやってこれたのは、中国に石炭を売って、中国から物を買ってそれがチャ
ンマダンで回っていたんです。中国に石炭や鉄鉱石を売れなくなったのが現実で
すから。

そして金正恩は割と人民の生活を知っているそうです。正しく知っている。そ
ういう面では時間は我々の味方です。今の状況が続けばですが。もちろんご家族
の健康という、こちらにとっては本当に1秒も遅らせることができない問題があ
ります。苦しい所ですが、拙速にせっかく作った包囲網の穴を開けてしまったら
何もできなくなります。

私の原稿(配布資料)は、「追い詰められた金正恩-今こそ安倍外交の真価を」
と書きましたが、やはり主体的に外交をしてこの機会を活かすことを是非やって
ほしいと強く思っています。

ここで書いたことでまだ話してないことがあります。北朝鮮の幹部たちの中で
も金正恩離れが起きていて、外交官がかなり亡命しているらしいですね。太永浩
(テ・ヨンホ)公使が来てみたら、非公開の人たちがかなりいたそうです。「こ
の人たちもいるのかと思った」そうです。

私が昨年末にある情報筋から聞いた話では、「ノロ鹿は出ていった」というこ
とです。「ノロ鹿」というのは朝鮮半島に多い小型の鹿で足が速い。足が速いか
ら亡命予備軍のことを指すそうです。12月末には「ノロ鹿は出ていった」とし
か聞かなかったんですが、1月に聞くと、チョ・ソンギルという駐イタリア大使
代理が逃げたことが明らかになったので、このことだったのかと思いました。

もちろん捕まりそうになったこともあったようですが、はやり家族の教育を考
えて、西側で子どもたちを教育したいということです。太永浩公使もそういうこ
とを言っていました。幹部たちも、もう北朝鮮には未来がないと思っているよう
です。

また北朝鮮の内部でこういう議論がされているそうです。「北朝鮮の安全保障
にとって一番の脅威はアメリカ軍ではない。豊かな韓国の存在だ。豊かな韓国の
存在自体が国民を動揺させている。だからこそ、今のような分断が続いてはだめ
だ。統一をして米軍がいなくなったら」というので、「それは本当ですか」と聞
いたら、「そういう検討をしている」ということでした。そして、「核は使えな
いので特殊部隊と生物化学兵器を使って、6か月の間に戦争をして統一する」と。

そして韓国の5000万の人口の内、2000万くらいは殺す。それくらいし
ないと韓国人は言うことを聞かない。韓国の中の6割は保守派、2割が中間派、
2割が左翼だと。6割が左翼のように見えますが、北はそう評価していない。だ
から言うことを聞かせるためには恐怖しかない、というようなことを検討してい
る。そのために米軍撤退というなことを言っている。韓国側がこれを分かってい
るかどうかも重大な問題ですが、何とかしないと国内の幹部たちも動揺し、局面
を打開しなければならないと思っている。しかし、アメリカと日本を中心とした
制裁の包囲網が続いている。そのことの表れの一つではないかと思いました。

さて、こういう情勢を踏まえて、家族会・救う会では2月17日に運動方針に
関する会議をして、今後の方針を決めようと思っています。

今日は3人の家族会の方が来てくださいましたので、お話を聞きたいと思いま
す。ありがとうございました(拍手)。

(5につづく)

■2回目の米朝首脳会談と北朝鮮内部事情

◆米朝で北に返事を出させ、日朝で被害者を返すための実質的な作業を

飯塚繁雄(家族会代表、田口八重子さん兄)

この集会も長く続いていますが、拉致問題に関する色々な情報、状況がめまぐるしく変わってきているし、我々素人が判断しにくい状況になってきていることは確かです。何がいいのか分からない。私たちはあくまでも、色々な主張や論議があるけれども、日本人拉致被害者を返すために何を論議し、何を行動したらいいかということに目を向けているわけです。

拉致問題を取り巻く情勢は、昨年あるいは一昨年の終わり頃からクローズアップされてきたのかなと思います。それ以前は何の動きもなく、どうなっているのかも分からない状況が長く続いていました。

きっかけとしては、トランプ大統領が国連総会で北朝鮮を非難する中で、日本人拉致問題をはっきりと提起してくれたということは前代未聞のことでした。それがいい方向につながってくれればいいなというのが私たちの期待感です。

北朝鮮は今まで制裁を課されている中で、それが一番怖いというような印象を受けるんですが、5人が帰ってきた時もそうでしたね。ブッシュ大統領が制裁を強くした。ですので、北朝鮮が本当に困らなければ我々の言うことを聞いてくれないということが実証されているわけです。

色々な会談がありましたが、南北会談、日米会談、日朝会談、そういう話し合いの場があるんですが、私たちとしてはトランプ大統領の力量に相当期待していました。今でも期待はしていますが、当初からこの問題が効率よく進むかなと思ったんです。

確かに安倍総理は日米会談の中で日本の拉致問題を北朝鮮に向けてはっきりと言及してくださいとお願いしました。トランプ大統領はその通りにしました。「いいましたよ」。これだけなんですね。今引っかかっている現象としては。

ですから日米会談はしょっちゅうできる筈ですが、今回2回目の米朝会談が2月に予定されています。私たちはアメリカについて、他力本願的にお願いする形となれば、思い切って北朝鮮に向けてさらに日本人拉致問題のことを言及して、答えを出させる。「どうするんだ。返すのか、返さないのか」と。

そして向こうのコメントをはっきり確認した上で、その後も続けてもらいたいと思いますし、その後には具体的に日朝で被害者を返すための実質的な作業ができるわけです。

これを、また前と同じように、「日朝でやってくれ」という話になれば、また同じようなことが続くだけで実質的な作業は進まないと思いますね。なので日朝の前に、日米で、日本人拉致問題にはっきり言及し、その解決に向けてはっきりと答えを出した形で進めてほしい。「この後は日朝でやりなさい」と。

日朝でやる内容は、具体的に被害者をどう返すのか、いつ返すのか、どういう形で返すのか等返すための実質協議に結びつける。これがないと先に進まないですよね。

◆核・ミサイルの廃棄と切り離して拉致問題の解決ができるか

色々な要望とか、イデオロギーとか、調査とかありますが、そういうものはすべて使い切って、後は金正恩がいかに決裁するかなんですね。決裁するに当たっては、今まで色々な話が出ているように、今北朝鮮は困っている。制裁がきついのは確かだと思います。日本も制裁をしていますが、制裁が効いている間に、この機会を捕えて、私が今言ったような方向で進め方を考えてほしいと思います。

それでも心配されるのは、日本が制裁を解かなければ話にならない、相談もできないと、あの国ですから言いだすかもしれません。しかし、北朝鮮としては世界各国の制裁をどうやってなくすことができるのかを考えているでしょう。従って、北朝鮮が困っているという状況下で、さらにトランプ大統領の力を借りて、北朝鮮にもう一押しも、二押しもしていただきたい。

米朝間でやる協議の内容というのは、核・ミサイルの廃棄ですよね。これについては私は相当難しいと思っています。今持っている核を全部廃棄する、また今後こういうものが作れないようにするというように、すべてをさらけ出してアメリカの言うことを聞くかどうか。これもまた心配なことです。

従って、今回の米朝の話題の中には核・ミサイルの廃棄と同時に、日本人拉致問題の解決を、同時に無条件でやらせるか、あるいは北朝鮮の意向がとれて、今後は日本と協議するというのであればそれはそれでいいと思います。

その辺の切り離しの仕方、同時に主張した方が強く進むのか、色々な判断があると思いますが、我々としては何をさて置いても、拉致問題が消えてしまわないようにしてもらいたいですね。同時にやってもらうか、拉致は日本政府でやるかというのは日本政府が考えていることだと思いますが、何も見えない我々にとっては、そういう方法がまだ残されているのではないかと思います。

先ほども話があった安倍総理の施政方針演説の原文を読みますと、「北朝鮮の核、ミサイル、そして最も重要な拉致問題の解決に向けて、相互不信の殻を破り、次は私自身が金正恩委員長と直接向き合い、あらゆるチャンスを逃すことなく、果断に行動致します。北朝鮮との不幸な過去を清算し、国交正常化を目指します。
そのために米国や韓国を初め国際社会と緊密に連携してまいります」とはっきりと言っています。

私たちは、こういうことを信じるしかないんです。「嘘だろう」とか、「本当かいな」というような疑惑は全く持たない。従って今までと同じように安倍総理のメンタリティや態度はぶれていないと判断しています。

従って今回の米朝をきっかけに、どうしたらうまく北朝鮮との話ができるようなテーブルができるかどうか。実務者のあるいは実務的な協議ができるかどうか。
この辺が一つのポイントかなと思います。

ですから今までみたいに、「一応話をしましたよ」というだけでは進まないと思うんです。「焦るな」とは言っても、強く待っています。毎日のように待っています。帰国にうまくつながるように期待をして、動きを注視していきたいと思います。以上です(拍手)。

◆日本が主体的にやるべき

増元照明(増元るみ子さん弟)

みなさん、こんばんは。私はしばらくこの会に出られなかったのですが、金曜日はどうしても用事があるものですから。しかし木曜日だったので久しぶりに出ることができました。

島田さんと西岡さんの話を聞いて、やはりアメリカはアメリカなんだなという感じですね。政権に近い人たちが元国防関係者は、ICBMの中止だけで手を打とうというか、アメリカ第一ですからアメリカさえ安全であればその他は大きな問題にならないし、まして今ベネズエラとかイランですからね、とても北朝鮮問題に注入する力はない。

今の所ICBMを止められればそれでいいのではないか、これがアメリカの考え方の大半になるのではないかと思います。そこで制裁を緩めるかどうか、そこが勝負だとは思うんですが、2回目の米朝協議があります。昨年6月、金正恩に直接伝えたので、アメリカの役割はもう終わっているんですよ。後は日本がどうするかだけなんです。

日本がどうするかということをもう一度やっていただかなければならないし、私たちが焦らないでと言うのは、安倍さん以外の総理は、焦って足元をすくわれたからです。

安倍さんはご自身もおっしゃっているように、北朝鮮という国をよく知っているから、焦って足元をすくわれるようなことはないだろうと思っているので、「焦らずに早めにやってください」と昨年末に私は申し上げたのです。

私たちが「焦らずにゆっくりと」と言っている意味は、決して時間をかけてくれということではありません。早くやってほしいというのが、私たちの強い思いですから。安倍さんには本当に早期にやっていただきたいし、今のメディアは、2回目の米朝会談が行われなければ、日朝はできないようなことを何回も雰囲気として作っているような気がします。

だめでしょう、それは。「日朝をしっかりやって、拉致問題の解決に向かっていかなければならないでしょう」という報道が全く見えないじゃないですか。先日は、「嵐」の解散の報道がテレビにあふれていました。ばからしくなって切りましたけど、2年後の解散のことをなぜトップでやらなければならないのかと思って、NHKさえそうですが、メディアのあり方に問題があると思っています。

◆朝鮮総連が日本国民にどれだけ被害を与えたか

「チャンネル桜」の「拉致問題アワー」を担当しているんですが、昨日、アジア調査機構の加藤健さんに来ていただいて、以前に書かれた「朝鮮総連に破産申告を」の内容を紹介したんですが、北朝鮮の工作機関である朝鮮総連が、これまで日本にどれだけのことをやってきたか。そういうことが書いてあります。これを読んで、怒らなければだめですよね。

朝鮮総連という組織が日本の中にまだ存在して、しかもずっと日本人に多大な被害を与えてきたということを、国会議員も真剣に考えなければいけないのではないですか。

2002年の直前まで、小池さんも拉致議連の副会長として朝銀問題で色々やったみたいですが、大臣になったとたんにシュンとなりましたね。これは石破さんもそうですよ。会長、副会長が大臣に格上げされてから、北朝鮮に対する制裁の「せ」の字も言わなくなった。なぜか小泉政権に取り込まれるとそういう風になってしまう。

本当に残念なことですが、今、朝鮮総連という組織を支える必要はないじゃないですか。必要があるんですか。非常に迷惑な団体ですよ。そこに配慮しない限り、絶対にあの人たちはまた資金を吸い上げて、北朝鮮に送金を許してしまう状況になるわけです。もっと考えてもらいたいですね。

先ほど言いましたが、アメリカ頼みではだめなんです。日本が主体的にやらなければいけないし、アメリカに制裁の強化を頼むのであれば、日本国内にある北朝鮮支持団体をつぶすくらいのことを考えないと、やっていけないでしょう(拍
手)。

アメリカはアメリカファースト、日本は日本ファーストで、やはり日本のことを考えなければいけないし、その点では韓国のレーザー照射の問題に関してもっとやってほしいと思います。

防衛省はこの前、「協議は終わった」と言うんですが、もっと明確に日本の方が正しいということを主張して、韓国国防部の言っていることは全部嘘だということを明らかにすれば、いくら洗脳された韓国人でも、これまでの韓国の発表を怪しいと考えるでしょう。

それはいわゆる徴用工の問題にもつながっていきますよ。実際は志願してこちらに来られたんですけどね。今回のレーザー照射の問題、日本政府が言っていることの方が事実なんだということを明らかにしたら、韓国政府の出先機関みたいなメディアの報道に対しても疑問を持ってきて、これまでのいわゆる徴用工問題にしても、慰安婦問題にしても、政府が言っていることはやはりおかしいんじゃないかという風に勘繰られるようになるでしょう。そこまでやらないといけないと思います。

私たちは韓国の動向や態勢を拉致問題に有効に使わなければならないわけですから、韓国の政権に関しては見ていかなければならないと思います。この点に関しても、韓国の今の政権に打撃を与えるようなことをやらないと、北朝鮮に対する私たちの意思は伝わらないし、今制裁が効いているといっても、未だに崩壊しないわけです。そのことを考えると、日本がもっと主体的にやっていくことがあるんじゃないかという思いです。

ですから朝鮮総連に対し、厳しい目を向けていただきたい。日本国民がどれだけ被害を受けたか知るべきだと思います。以上です(拍手)。

◆平和の祭典オリンピックの前に返した方がいいと分からせられないか

本間 勝(田口八重子さん兄)

今日はありがとうございます。増元さん、朝鮮総連の罪の原点はどこにあると思いますか。それは、北朝鮮に在日の人と、日本人妻が帰還されましたよね。9万人以上。これが朝鮮総連の罪の原点なんですよ。日本の中で帰還に協力した人たちもたくさんいました。

それは、「キューポラのある街」という映画を見ていただくと分かります。当時川口市というのは在日の方がたくさんいました。鋳物工場があったためなんです。そこに多くの労働者が働いていて、川口を盛り上げていてくれたわけです。

あの映画は、帰還事業のことも描いています。しかし、北朝鮮に行ってだまされた。帰るに帰れない。そして帰還した人というのは北朝鮮人民の中では最下層で冷遇された。本当にかわいそうな人たちなんです。

そういう処遇を受けさせたのが朝鮮総連です。そういう意味で理解していただければ、よく分かると思います。

たくさんの人が拉致の可能性があるということで、警察庁発表で883名(届け出数)、こういう数字が出ています。これは昭和20年代からいます。兄は、「焦るな」と言っていますが、もう半分以上は高齢者なんです。うちの妹、田口八重子は22歳で拉致されて、今41年、今63歳です。八重子より先に連れて行かれた人が半分以上いるわけです。

埼玉で拉致された中に、平成3年、浦和からいなくなった銀行員がいます。佐々木悦子さんという人です。拉致問題は延々と続いていたんです。平成も今年で終わろうとしていますが、昭和、平成と続く中で、拉致問題が解決できなくて、次の新しい時代に入ろうとしています。

北の金正恩に対して、私たちは拉致被害者問題を解決させなければ、未来はないよと総理はおっしゃっています。そういう中で、直に北に対して提案していく。拉致被害者を解放すれば100億ドル以上の金が動く。北朝鮮にすれば特需ですよ。日本も朝鮮戦争の特需で復興できた。

そういう大きな節目があって立ち直りができるんだぞということを、2020年に東京オリンピックがありますよね、オリンピックは平和の祭典ですが、そういう中で拉致被害者を解放しない。それが平和なんですか。そして人権をどう考えているんですか。もう世界にアピールできるんですよ。

そういうことを金正恩に分からせれば、「そうだな。ますいな。オリンピックの前に返しちゃおう」、「亡くなった方には申し訳ないけれど遅くなってごめん」と、そういうような形で返せばいいわけなんですよね。

今後は、2月の家族会・救う会の会議で運動方針を詰めていきますが、そういうことも考えてもいいじゃないですか、西岡さん。どうですか。以上です。ありがとうございます(拍手)。

西岡 オリンピック憲章に北朝鮮が入っていますが、北朝鮮の体育大臣が来ると言っていましたので、基本的には北の公務員の入国は認めないんですが、例外として認めた。しかし、それ以外の活動をすることは禁止でしたが、日本体育大学に行くという日程があることが分かりました。

そしてそこに自民党の大物政治家が行くのではないかという情報が流れていました。また日本体育大学では、学生たちに北朝鮮の国歌を練習させていたようです。私立の学校ですが、文部科学省と外務省から、枠組みが決まっていて入国を許可した。それは外の活動をするなということだという話をした結果、前日まで行くことになっていたのです。

私は色々なところに電話をして、「なぜこんなことを許すのですか」と言ったら、止まりました。オリンピックは政治を持ち込まないということになっていることと、制裁とをどう整理するかをオリンピックに向けての課題の一つとして考えなければいけないことだと思っています。

もちろん過去に、アメリカを初め西側の諸国が、ソ連がアフガニスタンに侵攻した後、(モスクワオリンピックを)ボイコットをしたことがありました。政治がまったく関係ないということではないんですが、我々ができることとして東京オリンピックを返上するのか、そういうことまで考えるかどうか、色々なことを考えなければと思いますが、北朝鮮代表が歓迎を受けて来れるような雰囲気になってほしいと私も思いますし、そういうことを実現するように圧力をかけていかなければならないと思っています。

以上

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葉書は、〒100-8968 千代田区永田町2-3-1 内閣総理大臣 安倍晋三殿

■救う会全国協議会ニュース

発行:北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会(救う会)
TEL 03-3946-5780 FAX 03-3946-5784 http://www.sukuukai.jp
担当:平田隆太郎(事務局長 info@sukuukai.jp)
〒112-0013 東京都文京区音羽1-17-11-905
カンパ振込先:郵便振替口座 00100-4-14701 救う会
みずほ銀行池袋支店(普)5620780 救う会事務局長平田隆太郎
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