オールド・テロリスト 村上龍

文藝春秋2011.6~2014.9。単行本化に当たり加筆。2015.6.30第一刷発行。

p143
日本を焼け野原にするのは簡単なんだよ。福島第一の事故は、津波が原因ではなく、古くなっていかれかけてた冷却系の配管が大地震で壊れたのだという指摘があるのは知ってるだろう。
配管が古くなっているのは冷却系だけじゃないんだよ。
原子炉と直接つながる配管だって、大半は古くなっている。それが割れたり外れたり、ひびが入るだけでも、どうなるか。想像できるか。
それに、タービンだって、かなり古い。タービンからの蒸気だが、復水器に回せなくなったらどうなると思う?
復水器がつまったりしても冷却はもうアウトだし、冷却系の配管が破断したら、あとはもう、カタストロフまで一直線だ。
まだある。
日本各地に、使用済み核燃料棒を貯蔵したプールがあるらしい。だいたい数千本単位で貯蔵されていて、当然、冷却し続けなければいけない。数千本の核燃料棒といえば、だいたい原子炉十基分の燃料体だそうだ。しかしだね、それらは原子炉と違って、格納容器も、頑丈な防御壁もない。周囲は単に薄いコンクリートの壁で覆ってあるだけだから、たかだか数百度の熱で崩壊する。
海外のメディアが指摘するのは、そこで何かが起こったらどうするのかということだ。
危ない奴がダイナマイトを数本放り投げるとどうなる?
ドッカーン。
核燃料棒がばらまかれる。
君に聞こう。これが、焼け野原でないなら、いったい何なんだ。

広告

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

%s と連携中