私はすでに死んでいる アニル・アナンサスワーミー

『私はすでに死んでいる』アニル・アナンサスワーミー

p25 一九八〇年、フランスの哲学者ルイ・アルチュセールは妻を絞殺したが、うつ病を理由に刑事罰を逃れて精神病院に収容されている。

p286 怒りから性欲、飢え、渇きに至るすべての感覚で、前部島皮質と前帯状皮質の活動が高まることは、すでに多くの研究が示している。クレイグはこうした研究も踏まえて仮説を立てた。

人間の全感覚の責任は前部島皮質にある。

前部島皮質は、身体の生理学的状態を主観的に自覚するための神経基質であり、外部刺激、内部刺激、活動動機の表象が起きている状態を、前部島皮質が統合している。

「情動自覚の構造的基盤とも言えるでしょう[*19]」

前部島皮質は、「物質的な私」、言いかえれば、客体としての自己によりどころを与え、「感じる(知覚する)存在としての物質的自己」のメンタルイメージを刻々と生みだしている。

物質的自己の根っこは不変の(少なくとも短い時間の尺度では)身体なのだから、前部島皮質は「精神的自己をつなぎとめている継続的な存在という感覚の源」でもあるはず。クレイグは電話インタビューでこう話した。

「いまこの瞬間に存在している自己は、前部島皮質が原因です」

裏づける有力な証拠は「前部島皮質を直接刺激したら、恍惚発作を連想させる感覚が誘発された」という実験結果である。

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