20150524 21世紀の貨幣論(二)


p50
『イリアス』と『オデュッセイア』
 紀元前二千年紀にクノッソス、ミケーネで栄えた宮殿文明に関しては、(略)。紀元前八世紀半ばから発展した古代ギリシャの都市国家群を理解するには、(略)。しかし、この二つの時代の間には、種類を問わず、史料がほとんど残っていない時期がある。いわゆるギリシャの暗黒時代である。
p52
お金なしでも社会は回る
p55
二つの叙事詩からは、共同体を運営するうえで、三つの社会的制度が重要な役割を果たしていたことがわかる。(略)
 このように、暗黒時代のギリシャでは、マネーが存在しない社会を運営する仕組みとして、戦利品の分配、互酬的な贈与交換、生け贄の分配という三つ。

p58
古代メソポタミア──官僚主義の原点
p59
紀元前三千年紀初めには、ウルクという都市がユーフラテス川南の河畔で栄えていた。(略)
 紀元前二千年紀初めには、六万人以上が住んでいた。(略)
p60
メソポタミアでは、(略)都市の大規模化、複雑化が進み、そこから世界初の官僚社会が生まれ、世界初の指令経済が発展した。(略)そのため、人類文明の歴史の中できわめて重要な意味を持つ文字、数字、会計という三つの社会的技術がメソポタミアで発明された。

p61
文字はどのように生まれたか?
p65
紀元前三一〇〇年頃、メソポタミアのウルクで大きなイノベーションが生まれた。トークンそのものを使うのではなく、湿った粘土板にトークンを型押しして数を記録するようになったのだ。(略)三次元のものを使った古代のシステムは、二次元の記号を使った新しいシステムに置き換えられた。(略)文字が誕生したのである。

p66
「会計」技術の誕生
 神官官僚が経済活動を統制する階層制度が機能するには、経済管理情報システムを作る必要があった。原材料と最終製品のストックとフローを定量化し、そのデータを使って将来の計画を立て、計画が現場できちんと実行されているかをチェックする技術が求められていたのである。会計は、(略)社会的技術だった。
 古代メソポタミア経済の会計システムは、収支を記録して、上層部の指令を受けた官僚が現場に的確な指示を出せるようにするためのものであり、現代の大企業とまったく変わらない。さらに、会計帳簿を照合して、その指示が守られているかどうかを厳しくチェックする専門官もいた。いまで言う会計士だ。そのため会計士は人類最古の専門職といわれている。

p67
 このように、古代メソポタミアの社会は、ほとんどすべての点で暗黒時代のギリシャ社会とはきわめて対照的だった。(略)
 このような大きな隔たりがあるにもかかわらず、古代メソポタミアと暗黒時代のギリシャの経済には重要な共通点があった。神殿の官僚主義的な計画も、暗黒時代のギリシャの原始的な部族主義的制度も、お金を使っていないのだ。(略)
 古代世界で最も進んだ経済が、なぜマネーを発明しなかったのだろう。それは、ある重要な要素が欠けていたからだった。(略)一九六〇年一〇月一四日にパリで開かれた第一一回国際度量衡総会が、次の舞台となる。

p73
たとえば(さまざまな測定単位)ファゾム、ファーロング、リーグ、ハンドが考え出された時代には、線の伸びという普遍的な概念がまったくなかった。
※ほんとか?
海に重りを落として水深を測るのは、隣の村までの距離を歩いて測るのと基本的に同じだということを、だれも思いつかなかった。線の伸びという概念がなければ、線の伸びを測る単位が生まれるわけがない。
 国際単位系が採択されたことは、人間の思考が目に見えない深いところで進化したことを、目に見える具体的な形で示すものだった。ここにいたるまでには何世紀、何千年紀もかかった。国際度量衡局の一世紀にわたる取り組みは、その最後の仕上げをしたにすぎない。(略)
 世界で通用する測定単位が発明され、
 それが現代のグローバル経済を緊密について結びつける中心的な役割を果たし、
 人間の思考を劇的に発展させた。
※そんな『劇的』か? 世界は一軒の家だな、程度では?
 この「革命の三条件」がそろうことはめったにない。しかし、そのめったにないことが起きた領域が一つある。ほかでもない、マネーだ。

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