20150331 動乱のインテリジェンス(一)(二)


動乱のインテリジェンス
佐藤優 手嶋龍一
2012.11.1
新潮社

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第一章 日本の周縁で噴出するマグマ

p10
佐藤 どうして「尖閣諸島をめぐる領土問題は存在しないので、中国と交渉しない」という言い方をやめて、歴史的、国際法的に日本固有の領土であると中国と交渉してその事実を国際社会にアピールしないのか。その答えはじつに簡単明瞭なんです。外務官僚が中国政府と難しい交渉をやらなきゃならない。中国だって必死に理論武装して挑んできます。外務官僚はそれが面倒なためにサボっていたんですよ。

p13
竹島をめぐる「日韓密約」疑惑

p24
周辺国の外交攻勢に怯む日本
竹島
条約局
韓国の大統領(李明博)は竹島に上陸
北朝鮮は、ウラン濃縮技術を世界に誇示して、韓国の陸地を四十年ぶりに砲撃してみせる。そして三度目のミサイル発射を強行した。
二〇一〇年一一月、ロシアのメドヴェージェフ大統領は、かつてスターリンやブレジネフもなし得なかった北方領土への訪問を強行しました。
p26
しかし、今年(二〇一二年)五月にプーチンが大統領に返り咲いてからは変化が生じています。
しかしながら、民主党政権は、プーチン政権のシグナルを受け止めて、関係改善につなげていく外交をしている節はありません。

p27
辺境のインテリジェンス
沖縄
普天間基地
嘉手納基地
キャンプ・シュワブでなくキャンプ・ハンセン
三・一一東日本大震災の際の「トモダチ作戦」を有り難がって、だから普天間基地の移設は県内で呑めと沖縄に言っている。(略)愚かな主張です。

p28
辺境地帯では特別なインテリジェンスをやらなきゃいけない。(略)
最近、沖縄出身の学者では一六〇九年の薩摩琉球入りを「琉日戦争」と呼ぶ人が増えています。一方、中国は一度も沖縄に侵入してきたことがない。ところで、台湾の国際空港では今でも行き先の案内表示が琉球になっています。中華民国(台湾)はモンゴルと琉球は外国領として未だに認めていませんからね。

p29
民族とインテリジェンス
二〇一一年七月号の「中央公論」で示した沖縄の亜民族意識についての指摘は大変に重要だと思います。沖縄の基地問題をめぐって、日米同盟にいま見逃せない亀裂が入りつつあり、沖縄の地政学的な地位にも微妙な変化を生じさせているという見立てでした。
p31
中越戦争
マルクスの階級闘争よりも強い原理が働いていて、そこで抽出されるのはどう考えても民族しかない。
ベネディクト・アンダーソン
「想像の共同体」という概念

世界全体と民族はどうあろうとも一致しない。しかも民族は近代の随伴現象であるから、実は二百数十年の歴史しかない。(略)言ってみれば近代の宗教なんだと。

p35
亜民族のマグマ
佐藤 二十一世紀の世界で国家が生き残るには、帝国じゃないとだめなのです。ヨーロッパは、帝国への道を歩夢にあたって、EU・欧州連合という形を選んだ。ネイション・ステートではもうもたないという意識、というか集合的無意識が、大国の政治エリートの間で広まりつつある。
p35
佐藤 じつは、戦後の日本にも外部領域があるんですよ、これが沖縄です。ここは天皇信仰を持っていない。歴史的な経緯が違う、自己認識が違う。そういうところを包摂できるのが帝国です。
手嶋 なるほど、帝国は必ずしも広大な領土を持つ必要はない。しかし異質なるものを内に包み込む力を持っていなければならない。
佐藤 そう思います。外の力を包摂し、自己に吸収して、初めて生き残ることが出来る。かつてのような植民地を持つ形の帝国主義じゃなくて、品格のある形の帝国主義で自由貿易を基本としながら生き残るしかない。そう考えると、沖縄とうまくやっていくノウハウを身につけないと、日本は大変なことになる。

p36
佐藤 沖縄に対するハンドリングを間違えると分離独立傾向が強まってゆくことは疑い得ないことです。

p54
トルクメニスタン
永世中立国
外国の軍隊が駐在していないこと。
軍事同盟条約を結ばないこと。
隣接国が全部、中立化を承認すること。
※沖縄が独立宣言したらどうなるのか。

p56
国家統合で維持
辺境地域(沖縄、北海道)に金だけ払えばいいというレベルをやめる。
安全保障もイデオロギーも全部含めた総合的なグランド・デザインが必要。

p56
北海道独立論
p57
インテリジェンスの世界で
ロシア人に「価値判断を離れて、本当のことを教えてくれ」というのはリエゾン(連絡係)の仕事
今は、日本外務省とSVR(ロシア対外諜報庁)の間で、そこが切れている
p58
梅棹忠夫、若き文化人類学者
『日本探検』
「北海道独立論」
昭和三〇年代に発表された論文
榎本武揚の「五稜郭共和国」の系譜を継ぐ
佐藤 今の北海道は独立の対極の状態ですね。
手嶋 残念ながらその通りです。
p59
ドイツの社会学者ユンゲル・ハーバーマス
「未来としての過去」
※ 未来を拓くときは過去ネタで必ず物語づくり
p60
手嶋 ハーバーマスの著作は冷戦終結の前後に出版され話題
佐藤 楽観論に対してそれは違うと指摘した
p61
独立北海道(略)自主武装の行き着く先は、核保有による自立

p66
手嶋(略)歴史のリアリズムの面から言えば、独裁者スターリンによって北方領土が不法に略奪されたことも事実なら、冷戦の一方の当事者であるアメリカが、北方領土を未解決のままに残して、東西両陣営の間に楔として敢えて打ち込んだのも事実です。サンフランシスコ平和条約の設計者だったジョン・フォスター・ダレスは、日本という要石を西側同盟のなかにがっちりと留めおくため、領土問題で当時の日本がソ連に安易に妥協しないよう、北方領土を未解決のまま留め置いた。(略)
佐藤 その客観的な事実を非常によく描いているのが孫崎享(うける)さんの『日本の国境問題』と、東郷和彦さんと保阪正康さんの共著『日本の領土問題』ですね。(略)

p69
プーチンのニュー北方領土戦略
手嶋 二〇一二年、クレムリンの主となって帰ってきたウラジミール・プーチン大統領は、九月にAPEC・アジア太平洋経済協力会議の首脳会議をウラジオストクの沖合に浮かぶルースキー島で開き、議長をつとめました。

p70
手嶋 自らの陣営に戦略上の真空地帯を生じさせてはならない
ロシア側は、沿海地方の農業法人の農地を、韓国、中国、北朝鮮、日本などに次々に貸与して、大豆などを栽培させている(略)北海道銀行が中心になって融資して北海道の農業者が借りあげようとしている。(略)
佐藤 ウラジオストク港の南にトロイツァ港(旧ザルビノ港、トロイツァは三位一体の意味)があり、ここに中国は熱いまなざし(略)中国はわずか一五キロまで海に迫っているのですが、日本海への出口はありません。

p73
佐藤(略)二〇〇一年、森喜朗(当時首相)さん、鈴木宗男さんラインの時に、イルクーツクで今回のような“ツー・プラス・アルファ”の方向性をプーチン大統領も検討したのだけれども、それを日本側が断ってきた。「耳をそろえて四島を返せ」と。

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第二章 中国、そのモラルなきインテリジェンス

p75
手嶋(略)中国共産党の支配体制を揺るがしている重慶事件(略)「二十一世紀の三国志」とでも呼ぶしかない壮絶な人間ドラマ(略)
p76
手嶋 天安門事件以来と言われる(略)
薄熙来(はくきらい)が共産党の書記として君臨していた重慶市。その市中のホテルで英国人の男性ビジネスマン、ニール・ヘイウッドが死体となって発見されました。二〇一一年一一月一五日のことです。(龍馬の誕生日・命日ido )
※以下略。本を購入済。

p86
重慶製ミサイル運搬車の密輸
手嶋(略)二〇一二年六月二〇日、外務省のインテリジェンス部局である国際情報統括官組織・第二国際情報官室の担当官が、千葉県茂原市の自宅から遺体で見つかりました。
海上保安庁
佐藤(略)朝日新聞「中国製の弾道ミサイルの運搬・発射用の大型特殊車四両が北朝鮮に輸出された事件」
対中国、北朝鮮情報のプロフェッショナル
この情報漏洩と企画官の自殺事件は、その内容が極めて重大であるため、関係国のインテリジェンス・コミュニティで「日本政府から何故極秘情報が漏れたのか」
中国政府が国連決議に違反してミサイル関連物資を北朝鮮に輸出していた確たる証拠を握りながら、米・日・韓のいずれも国連安保理の場で中国を非難することをしなかった(略)
p88
手嶋 そうだとすれば、機密情報が朝日新聞に漏洩されたことで、一種の国際スキャンダルになったということになりますね。北朝鮮に宥和的な姿勢を取っていると内外から批判を浴びるのは必至でしたから、アメリカ政府は怒り心頭に発し、日本側に「機密の保持はどうなっているんだ」と怒鳴りこんできたというわけです。
※以下略。本を購入済。自殺した男は北朝鮮情勢を憂いて朝日新聞にリークしたのか?

p91
佐藤(略)二〇〇九年、ミサイルを発射した北朝鮮に対して、国連安保理は「一八七四号」、中国の今回の輸出は国連決議に違反
手嶋(略)「ああ、アメリカ外交衰えたり」

p92
中国外交官の三流スパイ事件
二〇一二年五月二九日
中国版ラストヴォロフ事件

p95
将来、中国は必ず食糧危機に見舞われる。(略)などと持ちかけていた。

p97
戦略の海に乗り出す中国海軍
p98
「ワリヤーグ」というウクライナの空母を、どうやって中国は「盗んだ」のか

p99
洋上カジノが空母に化けた

p103
ロシア・パブのウクライナ女性
p104
ユーリヤ・ティモシェンコ
二〇一二年八月に禁錮七年の実刑が確定
毒薬事件のユシチェンコが大統領に
p107
中国とウクライナは地下水脈で繋がっている

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