20120402心霊現象の心理と病理

心霊現象の心理と病理
C.G.ユング
宇野昌人/岩堀武司/山本淳 訳
法政大学出版局1982.2.25

精神科医となったユングの最初の論文であり学位論文(1902)

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日英同盟の年だね(^_^;)
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最初の論文は、夢遊症と霊媒現象とを示す一少女の病歴を詳細に記述し、おそらくは当時公刊されたフロイトの『夢判断』(1900)およびフルールノアの『火星からインドへ』(1900)に影響されて、無意識の心理学の観点から分析を行った症例報告である。
(心霊現象の心理と病理P155)

当時ユングはバーゼル大学の医学部学生であったが、彼の親戚の人たちの間で一五歳なかばの少女(ユングの母方のいとこ)を霊媒として、テーブル・ターニングをやっているグループのあることを聞いた。
(心霊現象の心理と病理P156)

この少女についてユングが強く印象づけられた点は、半夢遊症の状態中に彼女が名のったイヴェネスが普段の彼女よりもはるかにすぐれた能力を示したことと、また釣り合いのとれた思慮深いイヴェネスの人格と普段の彼女の未熟で不安定な人柄とのいちじるしい対照とであった。
(心霊現象の心理と病理P156)

ユングはこのイヴェネスの人格を、無意識のうちに育成されつつある少女の後年の成熟した人格であると結論している。ここにユングの後年の無意識についての考え方、つまり無意識の意識に対する補償作用、あるいは無意識の自律性の概念の萌芽を見ることができる。
(心霊現象の心理と病理P157)

「無意識の自律性」という、フロイトの理論と私の理論とを原理的に区別する考え方は、すでに私がある若い夢遊症の少女の心の発達史を研究していた一九〇二年に私の脳裏におぼろげながら存在していた。
(心霊現象と心理と病理P157)

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【ヒステリー】
現在、この言葉は消え、解離性障害と身体表現性障害に分類。(1994年発表「精神障害の診断と統計の手引き第四版」 )
 1990年代以降、精神疾患を原因ではなく症状で分類する方法が主体になったため。
 原義はギリシャ語「子宮」
(参考wiki)

(心霊現象の心理と病理P65)メモ
具体的症状が知りたい。

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